オリックス銀行の調査で、へそくりが「ある」と回答した男女のうち、「自分のため」との回答が男女共に半数を超えトップだった。男性にとって「自分のため」とは、外で友人らと飲み歩く時などのお金がほしいということだろう。一方の女性は、自分の「後半生のために蓄えがほしい」ということだろう。このように日本の夫婦が各自自分の計画を持っているということは、日本の社会において男尊女卑の思想がまだ根深く残っており、同問題の根本的な解決には至っていないということを示している。女性が社会や家庭に対する貢献に見合った地位を得ておらず、働く女性の発展の空間や給与などの待遇はやはり男性以下ということだ。
そのほか、日本経済が衰退を続けていることが人々の暮らしの質に影響を与えているだけでなく、人々の観念や行動を変化させている。このような社会環境で成長した世代は、経済が急成長した時期を経験した父親世代のように、仕事に対する高い責任感や必死に頑張る精神、家庭や社会、民族の振興のために身をささげるという考えは持っていない。そのような精神にとって代わっているのは、自分の楽しみの追求であって、責任感に欠ける。
また、男性が外で好き放題しているとなると、高等教育を受けることが一般的になり、独立意識を持つようになっている女性からすると、「おもしろくない」と感じるだろう。そのような女性は「なぜ、自分がこんな目に遭わなければならないのか」と感じ、報復心のようなものに駆り立てられるようになり、へそくりをするためにさまざまな手を尽くす。オリックス銀行の調査では、20代を除く、すべての年齢層の妻のへそくりが夫よりも多く、30代の妻に至っては男性の2.7倍という結果になっている。
このように双方が自分の利益だけを追い求めている日本人の夫婦の心はすれ違うようになり、結果、真っ先に影響を受けているのは、家庭の收入で、生活の質も低下する。損保ジャパンDIY生命が今年6月、全国の20-50代のサラリーマン世帯の主婦500人を対象に実施したアンケートでは、夫に内緒のへそくりは、所持平均額が昨夏より47万7千円増の384万3千円と過去最高の結果に。一方、夏のボーナスの平均手取額は昨夏比6万5千円減の61万1千円と、調査開始以来最低の結果となった。さらに金融広報中央委員会が10月に発表した2012年の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、家計の金融資産の保有額は1世帯当たり平均1108万円となり、2年連続の減少だった。
家庭の收入が減少すれば、支出も減少し、元々低迷を続ける経済に拍車をかけてしまう。次に、家庭を築くためには、心を一つにして共に協力し合わなければならず、忠誠心の欠如は必ず夫婦関係に歪みをもたらしてしまう。その裏付けとして、日本の離婚の理由のうち、「配偶者の協力が得られない」が42.4%でトップになっている。また、たとえ離婚に至らないとしても、お互いに隠し事を持ち、欺き合っているなら、子供たちはそれを見て学び、悪影響が及んでしまう。
中国では人と人の関係を「百年修業してようやく同じ船に乗ることができ、千年修業してようやく枕を共にして眠ることができる」と表現するように、真の夫婦関係を築くのは容易なことではない。1つの家庭を守るために、経済的に共にサポートし合い、感情面では浮気をして裏切ったりしないというのは、最低限の事だ。しかし、日本の家庭ではこのような常識はすでに崩壊しているようだ。家庭は「社会の縮図」といわれる。日本の夫婦が互いに隠し事を持ち、欺き合っているなら、日本の社会は今後、どうなってしまうのだろう。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年11月29日
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