中国式に劣る「米国式道路横断」 (3)
信号を無視して道路を横断する人のことを、英語で「Jaywalker」という。この言葉の本来の意味は、「むやみに道路を渡る人を嘲笑する野暮ったい人」だったが、今では意味が完全に逆転した。ウェブ百科事典「ウィキペディア」によると、歩行者が赤信号でも横断する現象は、ニューヨークだけではなく、シカゴやボストンなど米国内の他の大都市でも普遍的に見られるという。
信号を無視して横断することは、もちろん良い行為ではない。ネット上で盛んに議論されることで、中国人の交通意識が高まれば、それは良いことに違いない。しかし、何でも中国人の素養と関連づけるには及ばない。国慶節(建国記念日)連休中、観光客は簡単にゴミを投げ捨て、「中国人は本当に素養が低い。米国人はうんぬん…」と意見する人がいた。しかし、米国人のゴミの投げ捨ても、ごく普遍的な現象だ。公園や観光地では、高額の罰金(1千ドル以上)を徴収しない限り、この現象を無くすことはできない。
人は、人間である前に動物であり、自由奔放という性質を先天的に備えている。法律やルールに従うか否かについては、それらを守るためのコストと違反した場合の代価次第だ。管理制度が異なれば、人の反応や振る舞いもそれに応じて異なったものとなる。中国社会と米国社会の現象を対比してみると、「素養の高い低いが、ある制度に従うかどうかを決定づけるという考え方は、正当な根拠に欠けている」という事実が、簡単に見て取れる。(編集KM)
「人民網日本語版」2012年12月5日