「米国籍に変更すれば北京で受験可能」教育部が否定
「北京に戸籍がない学生が、北京で大学を受験したいと考え、米国国籍に変更したところ、北京での受験が認められた上、10点の点数加算という優遇措置が適用された」という最近のメディア報道に対して、社会から大きな反響が巻き起こっている。しかし、中国教育部(教育省)や一部の有名大学は、「事実にそぐわない」とこの報道をきっぱり否定している。中国青年報が報じた。
教育部は2009年11月、外国人の国内大学受験を規範化する目的で、「中国国内大学の海外留学生受け入れ規範化工作に関する教育部の通知(教外来[2009]83号)」を発表した。通知によると、2010年以降、中国の大学への留学を申請する外国人は、「有効な外国人パスポート」「外国国籍を取得して4年以上経過していることを証明する書類」「入学予定年の4月30日までの最近4年間に中国以外の国で2年以上居住している事実を証明する書類」などを提出しなければならない。
また、中国大陸部、香港、マカオ、台湾各地の出身者が外国に移住した後、再び中国国内に戻り、高等学校で学び卒業したものの、中国国籍に戻っていない者は、「中国で定住している外僑(居留外国人)」と見なされると通知では規定されている。彼らが中国の普通大学が定める受験資格を満たしている場合、住居のある省(自治区・直轄市)の公安機関で発行される「外僑居留証」を所持の上、省(自治区・直轄市)レベル学生募集委員会が指定する場所で、大学受験を申請し、受験することができる。
北京に戸籍がない学生が「外僑」の身分を得ようとした場合、外国国籍を取得して4年以上経過していることが条件となるのだろうか?
教育部国際司の担当者はこれについて、「通知によると、中国の大学が実施する外国人留学生学部専攻科学生選抜試験の受験、あるいは、『高考(大学統一試験)』の受験を希望する人は、例外なく、4年という期間条件を満たしていることが求められる」と回答した。
北京師範大学留学生弁公室の職員も、「外国籍の学生が本学への入学を希望する場合、教育部が定める期間条件を満たしていなければならない」と語った。同校は、「外国人受験生が本学の指定する関連資料を提供すれば、比較的簡単なテストで合否が決定される」という独自の留学生募集方式を採用しているという。
北京大学留学生弁公室の職員は、「本学学部への受験を希望する留学生は、現在の国籍を取得して『5年』以上経過していることが求められる。これは、教育部が定めている4年よりさらに1年長い。その上、実際に海外に2年以上居住していること、あるいは『海外で2年以上の教育を受け、それを関連する証明する書類を提出できること』も条件だ。ずっと中国に居住していて、突然国籍だけを変えて留学生として受験しようとしても、受験資格を満たすことはできない」とコメントした。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年5月24日