ネットの噂「建設作業員の月収1万元超」は誤り 実際は3千元足らず
「建設現場で働く出稼ぎ労働者の月収は1万元(約17万円)以上」、「北京で働く建設作業員の日当は、国貿(北京を代表するビジネス街)のサラリーマンにも劣らない300元(約5千円)」-このような噂がネット上で広く伝わっている。しかし、北京・重慶・西安・鄭州など7都市での調査に基づき取りまとめられた「中国建設労働者の給与待遇と労働組合の状況をめぐる調査研究報告」において、出稼ぎ労働者1445人を対象としたアンケート調査の結果、彼らの2013年平均日当額は160元(約2700円)、年収は2万5千元(約42万円)足らず、月収は3千元(約5万1千円)足らずと、ネット上で噂されている「高給」と現実の間には大きなギャップがあることが明らかになった。中国青年報が報じた。
同報告は、北京大学と香港理工大学が共同で設立した労働者サービス機関「行在人間文化発展センター」、「新世代出稼ぎ労働者計画」、ヘルメット(建設現場労働者)大学生ボランティアサービスチームが共同で取りまとめた。
以下は報告の概要。
建設現場で働く出稼ぎ労働者の報酬は、「前日の日当実績が当日の日当となる」というシステムにもとづいており、彼らは年間6,7カ月しか現場で働けず、年平均労働日数が155日であることから、平均日当300元という「高給」現象が生じる。一日の労働時間が14時間から16時間に及ぶ「工期が迫っている」特別な場合にフォーカスして、「建設作業員の給与は1万元を超える」と報じるメディア報道は正しくない。
一部メディアは、「日当300元で1カ月30日働く」という仮定で月給1万元超という結論に達しているが、これは、一時的な高給を常態化しているに過ぎない。
建設現場で働く出稼ぎ労働者に対する賃金遅配は、依然深刻な問題だ。法律に基づき支払われるべき月給の5分の1と残業代の10分の1が支払われておらず、最近1年間賃金を受け取っていない出稼ぎ労働者は全体の12%に達した。また、建設現場で働く出稼ぎ労働者の8割以上は、賃金の上昇幅が物価上昇幅より小さく、3分の1の賃金はベースアップが行われていなかった。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年12月16日