中国教育部(教育省)は現時点で、2013年普通大学卒業生の就職率に関する正式なデータを未発表だが、「史上最も厳しい就職氷河期」と言われた今年の実態は、一体どんなものだったのか?中国社会科学院社会学研究所と社会科学文献出版社は26日、2014年社会青書「2014年中国社会情勢の分析と予測」を共同で発表した。青書に盛り込まれた、国内12大学の卒業生1678人を対象とした就業調査報告において、「今年の卒業生の就職状況は、世間の予測よりも良好だった」という事実が明らかになった。新京報が伝えた。
卒業から2カ月経過した時点で、調査の対象となった卒業生の就業率は82.4%、失業率は17.6%。このうち、農村家庭出身の普通大学卒業生の就業状況が最も厳しかった。
○普通大学学部卒業生の平均初任給は3237元
青書の「就職最難関年度の大学卒業生就職状況」の部分を編集した社会科学院社会学所研究院の李春玲氏によると、高等職業学校卒業生の就職率が最も高く91.9%に達し、重点大学の学部卒業生より11.4ポイント高かった。
しかし、高等職業学校卒業生は就職率こそ高いが、平均初任給は月2237元(約3万9千円)と、重点大学卒業生の4497元(税引後。約7万8千円)やその他大学学部卒業生の3237元(約5万6千円)よりはるかに低かった。
李氏は、「卒業生の出身地別に見ると、農村家庭出身の普通大学学部卒業生の失業率は30.5%に達し、就業が最も困難なグループであることが判明した」と語った。
○普通大学学部卒業生の就職率、文系が理系を上回る
青書によると、「理工系学部の卒業生は、文系専攻の卒業生に比べて就職に有利」という見方が一般的だが、データを分析してみると、このような理系優位な情勢は、重点大学に限られており、普通大学学部卒業生については、文系卒業生の就職率は82.1%と、理系卒業生の71.6%より高かった。
このほか、いわゆる「親のコネによる採用」という現象について、李氏は、「大まかに言ってしまえば、体制内部門での仕事を希望する場合、『親のコネ』は確かに有力な武器となる。だが、高収入を得るためには、何よりも『個人の能力』がモノを言う。両親の所得や本人の学業成績は、就職活動や収入に対する影響力を持っていない」と指摘した。
調査によると、「就職活動において、身内のバックアップを得ることが最も効果的な方法」と答えた人は約10%だけだった。
○教育部:「最も厳しい就職氷河期」という言い方は不適当
教育部の続梅・報道官は26日午前、大学卒業生の就職促進に関する措置についてのネットユーザーからの質問に対し、「『最も厳しい就職氷河期』という巷での言い方は、非科学的で不適当だ。今年の大学卒業生の就職状況はほぼ安定している」と述べた。
しかし、社会科学院の青書では、「大学卒業生の就職問題は一応緩和される傾向にあるが、就職後の失業問題が次第に顕著になっている」と指摘されている。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年12月27日