黒竜江省哈爾濱(ハルビン)市党委員会宣伝部が明らかにしたところによると、旧日本軍731部隊の非人道的犯罪の全貌を復元する目的で、同市は731部隊罪証遺跡および731罪証陳列館新館の建設プロジェクトを始動させた。北京日報が報じた。
「新館」の設計責任者を務める華南理工大学建築設計研究院の倪陽副院長は、次の通り述べた。
「新館」は、731旧跡の敷地内に建設される。黒、白、グレーのモノトーンを基調として、地上部分と地下部分が建設され、計画総面積は1万5千平方メートル。731部隊の犯罪の証拠となる主要展示品は地下1階に展示され、様々な方法によって、同部隊の非人道的な犯罪行為の全貌を再現することを目指している。
「新館」の主体部分は、抗日戦争勝利70周年にあたる来年の一般公開が予定されている。「新館」完成後、旧館は文化財として保護される。新館の傍には市民公園が建設される。公園の計画面積は8万平方メートル、園内には、平和を呼びかける日本人から贈られる桜の樹を植える予定で、世界平和に対する人類の祈りと希望のシンボルとなる。
731部隊罪証遺跡のうち、現存している23の重点保護旧跡は、かなり完璧な状態で保存されている。だが、遺跡間の距離がかなり離れていることから、「新館」の設計に際しては観光客の便宜を考慮して交通機関のさらなる充実を図り、「二度手間にならないルート」というコンセプトに沿って観光ルートが設計される。室内と屋外の遺跡見学のための所要時間は、合わせて2時間30分前後となる見込み。
1933年に創設された旧日本軍第731部隊は、旧日本軍が細菌戦の計画、組織、実施を進める上での中心的役割を果たした機関。旧跡主要エリアの専有面積は6.1平方キロメートル。同部隊には、日本医学会の「エリート」が集められた。隊員2600人のうち、医学博士、医学部教授、専門医だけでも400人を上回った。12年間に及ぶ活動期間中、同部隊は、ペスト、チフス、コレラ、炭疽、結核、梅毒などの細菌実験に携わり、細菌兵器を開発し、生きている人間に対して、凍傷、毒ガス、解剖など非人道的な実験を行った。彼らが実際に実施した細菌戦によって、数十万人が死傷した。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年5月13日