ある業界アナリストによると、満座網の市場価格は現在は非常に低く、創業当初の資金調達額は1億ドル(約102億円)だったが、今やその10分の1にも満たない金額で買収されることになった。蘇寧は「お値打ち価格」で満座網を買収できるといえる。また蘇寧は満座網の運営チーム、提携店舗、共同購入の枠組を獲得することになり、共同購入の基盤を一層固めることになるとみられる。
▽「骨組み構築」が進行中
ネット事業のモデル転換をはかりつつある蘇寧にとって、満座網の100%買収は初めの一歩ではない。これまでにもM&A方式で紅孩子やPPTVの買収に成功している。
12年9月、蘇寧は6600万ドル(約67億円)でベビー用品を取り扱う国内最大のネット通販サイト・紅孩子を買収した。13年10月には2億5千万ドル(約256億円)でPPTVの株式の44%を取得し、筆頭株主になった。
今回の満座網買収を含む3件のM&Aで、蘇寧は約3億2600万ドルを投入し、事業分野をベビー用品、動画、共同購入へと広げてきた。
また蘇寧は金融分野でも積極的に動いており、蘇寧銀行の設立、保険販売代理業の営業許可証、基金決済業務の営業許可証を申請したほか、今月中にも金融商品サイト「零銭宝」を開設する予定だ。
ネット通販ウォッチャーの魯振旺氏によると、蘇寧の計画は壮大で、ネット通販プラットフォーム、決済プラットフォーム、O2O(オンライン・ツー・オフライン)業務、現地生活サービスをそれぞれ手がけ、全方位的な業務の布陣を敷こうとしている。だが現在の蘇寧は骨組みを作る段階にあり、もともとの3C業務(家電、コンピューター、通信)が好調なのを除き、開放型プラットフォーム、O2O、現地生活サービスの分野では基礎が固まっておらず、十分に力を発揮できていないため、14年にどれくらいの動きがあるかをみる必要があるという。
魯氏は次のように話す。骨組みの構築が終われば建物を作っていく段階に入り、システムとシステムをつなぎ合わせることが必要になる。紅孩子は1年あまりの時間を経てようやく蘇寧に融合した。満座網も将来的には独立運営をやめ、蘇寧に融合してこそ価値が出る。そこで、これから蘇寧が各カードをどのように融合させるか、M&A後の経営モデルに対応した運営チームがどのように構築されるかをみることになる。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年1月28日