家電小売大手・蘇寧雲商集団のインターネットをめぐる局面に動きがあった。蘇寧の関係者と共同購入サイト・満座網の馮暁海最高経営責任者(CEO)は27日、蘇寧による満座網の買収で合意したことを明らかにした。取引が完了すると、満座網は蘇寧の現地生活事業部に統合されるという。「新京報」が伝えた。
蘇寧は2012年6月、モデル転換期に突入し、オンラインの布陣を加速させ、ネット通販の紅孩子やオンラインテレビサービスのPPTVなどを相次いで買収した。今回の買収を含む3回の買収に投入した金額は3億2600万ドル(約334億円)に上り、蘇寧はベビー用品、動画、共同購入などの分野へ版図を広げてきた。
▽満座網の買収額は約1千万ドル
27日、ネット通販業界における2014年の合併買収(M&A)第一弾情報として、蘇寧が満座網を買収する意向であると伝えられた。満座網の馮CEOによると、この情報は事実だが、買収の具体的な内容については蘇寧が発表する内容が正確だという。蘇寧の関係者もこの情報が事実であることを認め、満座網の株式を100%買収するとした。
報道によると、この取引で満座網は経営の独立を確保するだけでなく、蘇寧の共同購入事業や旅行事業などを傘下におさめることになる。現在、蘇寧と満座網は業務の受け渡しについて話し合いを進めており、3月には手続きが完了する見込みで、満座網の創業者・馮CEOは退任せず、現地生活業務の責任者になるとみられる。
蘇寧は買収金額を明らかにしていないが、ある事情通は、1千万ドル(約10億円)近いと予測する。蘇寧はなぜ満座網を買収するのだろうか。蘇寧の関係者は、現地生活サービス事業の発展が狙いという。
昨年6月、蘇寧は共同購入、旅行、バーチャル商品の3つのチャンネルを統合・バージョンアップし、現地生活チャンネルを開設し、一線都市10数カ所のグルメ、娯楽、生活、ホテル、共同購入などのサービス提供を開始した。14年初めには、ネット通販サイトの蘇寧易購が独自のアプリケーション「蘇寧生活」の運営を始め、利用者の位置情報に基づいて周辺のグルメ情報、優待情報、共同購入情報などの検索サービスと推奨サービスを提供するようになった。