インフィニティ、高級車の価格決定権を争奪 (2)

　それから、ダニエル・カーチャート氏が率いるインフィニティ中国チームは、中国市場を熟知している。カーチャート氏はBMWの中国市場におけるマーケティング網を自ら構築し、特にBMW　3シリーズ、5シリーズのマーケティングに長年従事しており、市場に対して敏感な判断が可能で、豊富な実戦経験を持つ。インフィニティのディーラー開発、マーケティング網の構築、市場開拓、製品の選択および価格設定など、カーチャート氏のチームは手慣れていると言える。

　二つ目の面から見ると、今回の予約販売価格の発表により、高級車の「価格決定権」を握ろうとするインフィニティの深い意図が示されている。

　同レベル車の価格決定権は、往々にして最も早く市場に進出した企業、もしくは市場で最大のシェアを誇る企業が握る。しかし市場の競争はめまぐるしく変化し、高い実力を持つ野心あふれる「新入り」が逆転に成功し、先行者を追い抜くこともある。

　インフィニティのQ50が進出した市場には、多くの優秀な高級車が存在する。中でも特にBMW　3シリーズが際立っており、標準版・ロングホイールベース版は中国市場に適している。インフィニティは十分に準備を整え市場に進出しており、特に「Q50　3.7」の価格は主なライバルの約3分の2、4分の3ほどに抑えられており、「価格決定権」を争奪する姿勢を示した。

　インフィニティは今回の記者会見で、F1の最年少四冠王、インフィニティ車両性能監督のセバスチャン・ベッテルに言及した。ベッテルは2010年にF1世界チャンピオンに輝き、同年のポールポジション獲得回数で首位になった。

　F1に詳しい人ならば、公式試合でポールポジションを獲得すれば、明日の勝利に向けて最も有利なスタート地点が得られることを知っている。それではインフィニティQ50は高級SUVの価格決定で有利な地位を占め、細分化市場の主導権を握ることができるだろうか？今後の活躍に期待しよう。（編集YF）

　「人民網日本語版」2014年3月24日