消費者はテスラで盛り上がるが、自動車業界の関係者はテスラに対して異なった見方を示し、「テスラの技術運用には特に先進的なところはない」と指摘する。たとえば電池を例に取ると、テスラ車は他のEVとは異なり、新エネルギー電池を採用せず、ノートパソコンに使われる電池を採用する。
殷副院長によると、「テスラの新しさは理念にこそある」という。従来型のノートパソコン用電池を動力に使用すると、重量が大きすぎて、普通の自動車では支えきれない。だがテスラは発想を転換させ、車体を鋼材からアルミ合金に変え、重量を3分の2減らした。またシャーシの強度を高めて、車両の安全性の問題を総合的に解決した。
これらはいずれも最新技術とはいえないが、自家用車でこうした技術の一体化に取り組んだのはテスラが初めてだ。このような発想の転換により、EVの最も根本的な問題といえる「走行可能距離の短さによるイライラ」が解決された。通常のEVは1回の充電で100キロメートルほど走るが、テスラは約500キロメートル走れるという。
新しい技術を用いるのが最良とは限らない。新しい理念で既存の技術を存分に運用することも、一種のイノベーションだといえる。殷副院長は「こうした理念は参考に値する」と話す。
上海金橋出口加工区開発株式有限公司の沈栄さんは、「テスラは次に金橋の税関監督管理エリアにメンテナンス・保税倉庫を建設する。遠い将来には、浦東区で優先的に自動車製造工場を建設する予定だ」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年4月25日