「中国経済が年内に米国を追い抜く」という論調は、中国の懐疑論者に大きなショックを与えるものだが、こうしたほめ殺しは人々の実際の国力に対する判断をある程度狂わせると同時に、別の下心をもった者に人民元レート引き上げの口実を与えるものだといえる。
それだけではない。PPPの計算方法には多くの先決条件がある。同じ商品の価格を比較する場合は、関連国の産業構造や消費構造が似ていること、労働生産率や貿易をめぐる条件が同じであることが必要だ。だが世界各国の経済発展モデルや貿易環境は千差万別であり、PPPの計算方法が優れていたとしても、そこでは軽視できない巨大な誤差が生まれる。
中国がいつ米国を追い抜くかが、絶えず言及される話題であることは間違いない。これについて、中国の経済学者も独自の見方を示す。13年の中国のGDPは56兆8845億元(約930兆9185億円)に達し、同年の平均レートで計算すれば10兆ドル(約1020兆1千億円)に満たなかった。同年の米国のGDPは16兆ドル(約1632兆1600億円)を超えており、中国の経済規模は米国のわずか62%ほどだ。現在の年平均7.5%の成長率では、25年にならなければ米国の経済規模に追いつき、追い越すことはできないという。経済協力開発機構(OECD)がさきに発表した予測では、中国は16年までには米国を追い抜くとしていたが、実際にはそれは難しいとみられる。
いずれにしても、米国と中国の経済規模の開きの大きさをはっきりと認め、自国に軸足を置き、世界に目を向け、国内でも国外でも経済をしっかり運営し、総合的な国力と一人あたり平均所得の水準の向上で努力を続け、国民全体が経済発展の恩恵を受けるようにし、改革の促進、構造調整、国民生活への恩恵という道をぶれることなく歩むことが必要だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年5月6日