国の財政収支 魔のトライアングルに飲み込まれるな (3)
財政のトライアングルが発生する原因は、減税と支出増加と赤字のコントロールを同時に行えないことにあり、いかなる財政政策をとってもこの中に飲み込まれる可能性がある。現実的な選択としては、ひとまず2辺に注目することだ。たとえば減税と支出増加に注目すれば、赤字と債務のコントロールは難しくなる。減税と赤字・債務のコントロールに注目すれば、財政支出を増加させることはできなくなる。支出を増やし、赤字・債務をコントロールすれば、減税は無理になる。財政のトライアングルではどの財政政策を採るにしても2辺しか選択することはできず、残り1辺は放棄することになる。どのように選択し、組み合わせるとしても、放棄された1辺が財政リスクの裂け目になる。こうした点からいって、財政のトライアングルはリスクのトライアングルでもある。全体を統一的にみなければ、国全体の財政がトライアングルに飲み込まれ、抜け出ることができなくなる。
中央経済工作会議で明確にされたように、来年も引き続き積極的な財政政策を実施し、構造的な減税との結びつきを強くする方針だ。減税の方針はすでに確定している。財政支出を大幅に拡大することはできない。こうしなければ赤字リスクと債務リスクのさらなる拡大を防止することはできない。来年の財政支出の予算配分では適正さを保ち、赤字と債務の急増をコントロールすることによって、財政のトライアングルに飲み込まれることを回避しなければならない。そして欧州債務危機が中国で「再演」されることを防止しなければならない。(編集KS)
「人民網日本語版」2012年12月26日