濃霧対策 太陽エネルギー経済の発展に活路
最近、全国規模で継続的に出現する濃霧が人々を悩ませている。今は「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)の開催時期で、濃霧は「幸運にも」両会代表が最も関心を寄せる話題として脚光を浴びることになった。濃霧対策は一刻の猶予も許されない重要な問題だ。「光明日報」が伝えた。
濃霧に包まれる中、専門家は市民に対し、自動車の運転を控えること、自動車の生産を厳格にコントロールすること、自動車の排気ガスや燃料の基準を引き上げることなどを相次いで呼びかけている。
武漢郵電科学研究院(烽火科技集団)のサブチーフエンジニアを務める華中科技大学の長江学者(45歳以下のトップクラス研究者)劉文氏は、かねてより濃霧問題に関心を寄せてきた。劉氏によると、濃霧対策はガソリンの不純物を抑制するだけといった簡単なものではない。ガソリンの不純物を抑制してもほどほどの効果しか上がらず、徹底した対策を取りたいなら、新エネルギー経済の発展に力を入れることが必要になる。とりわけ太陽エネルギー経済の発展が必要だという。
▽太陽エネルギーでなければ環境保護は達成できない
劉氏は、「濃霧対策には火力発電所の割合を抑制し、エネルギー生産構造を大幅に調整し、太陽エネルギーを中心とする新エネルギー経済の発展に力を入れることが必要だ」と指摘し、1990年から2011年までに、中国の発電設備容量は1億5千万キロワットから10億6千万キロワットに増え、このうち火力発電は設備容量の70%で発電量の80%をまかなっていると述べた。「これが全国規模で濃霧が深刻化していることの最も大きな原因と考えられる」という。
劉氏によると、電気自動車の発展は濃霧対策における措置の一つだ。だが電気自動車はもとより、高速鉄道や都市鉄道なども太陽エネルギーをはじめとするクリーンエネルギー由来の電力に移行しないのであれば、環境保護は達成できない。火力発電に頼るようなら、これまで通りガソリン車に乗っていた方がいいという。
新エネルギーを発展させれば濃霧問題解決の大きな武器となる。それでは中国の新エネルギー発展の現状と構想はどのようなものだろうか。