EUが中国のシームレス鋼管へ攻勢
19日、欧州連合(EU)在中国領事館報道部は、EUがすでにジュネーブの世界貿易機関(WTO)に対し、中国がEU製高性能ステンレスシームレス(継ぎ目なし)鋼管に課している反ダンピング関税の紛争処理を要請したと明かした。 国際金融報が伝えた。
EUは、中国の反ダンピング関税の手続き及び実質的な内容がWTOの規則に抵触していると認識している。EUの要請に基づいて2013年7月17日から18日にかけ、双方は紛争解決に向けた話し合いを行ったが、協議の結果、EUの中国側のWTO規則抵触に関する懸念は解消されなかった。
高性能ステンレスシームレス鋼管は、主に発電所の超臨界圧ボイラーや超々臨界圧ボイラーの加熱器や再加熱装置に使われる。2009年、EUから中国へのステンレスシームレス鋼管の輸出額は、9000万ユーロ(約120億円)だったが、2012年11月、反ダンピング関税が実施されると輸出額は2000万ユーロ(約26億円)まで減少した。この頃からEU製シームレス鋼管に対する9.7%から11.1%になった反ダンピング税が著しく中国市場への進出を阻害しているという。
EUの貿易担当スポークスマンであるヨハン・クランシー氏は「EUは今後も中国の不合理な貿易救済措置に反論していく。明確な技術的な欠陥があることから、EUはWTOがこの反ダンピング関税に対する要請を支持してくれると信じている。」と発言している。