最新の統計によると、中国の対外債務残高は昨年増加傾向を呈し、短期対外債務が全体の8割近くを占めた。こうした状況に他の要素が加わってシステム的なリスクをもたらす可能性を懸念する声が上がっている。これに対して、国家外為管理局資本項目司の郭松副司長は「対外債務は規模は増加傾向が続いているが、外貨準備高比は下降し続けており、実際には対外債務リスクは下降し続けている」と指摘した。人民日報海外版が伝えた。
■総規模が急速に増加
国家外為管理局の統計によると、2013年末時点で中国の対外債務残高は5兆2625億元(8631億6700万ドル。香港特区、澳門特区、台湾地区の対外債務は含まず)で、対GDP比は9.4%だった。2013年に対外債務残高は前年比約17.12%増加し、2012年の6.04%を上回る増加幅となった。
対外債務残高のうち登記対外債務残高が3兆2109億元(5266億6700万ドル)、企業間貿易融資残高が2兆515億元(3365億ドル)だった。専門家は対外債務残高の急速な増加は、貿易の発展が関係しているほか、周囲の市場金利がおしなべて低い一方で、人民元が長期間上昇していることなどが関係していると指摘する。
「2013年の中国の対外債務の変化には、総規模の急速な増加、中国系金融機関の対外債務残高の増加が登記対外債務残高を押し上げたという2つの大きな特徴がある」と郭氏は指摘。「まず、総規模の急速な増加は主に貿易関連の融資によるものだ。2013年の対外債務残高の増加のうち、企業間貿易融資が36%、銀行貿易融資が35%を占めた。次に、2013年末時点で登記対外債務残高は前年同期比18%増加した。このうち中国系金融機関が72%を占めた。これは主に中国が貿易大国であることが関係しており、貿易関連の融資はさらに多くなる可能性がある」と分析した。