中国をはじめとするアジア高級品市場の低迷により、高級品大手が高成長を終えようとしている。しかしこれは、毎年恒例の値上げの妨げにはならなかった。記者が得た情報によると、シャネル、フェラガモ、カルティエを含む高級品ブランドはこのほど欧州のサプライヤーに対して、値上げの通知を出した。そのうちシャネルの値上げ幅は15%に達し、カルティエも6−10%に達する予定だ。北京晨報が伝えた。
ファッション系ECサイトの走秀網の関係者は、「当社はこのほど欧州のサプライヤーから通知を受け、シャネルの価格が4月14日より15%引き上げられた」と語った。ほぼ同じ時間に、フェラガモが一部商品を平均で400元(約6600円)値上げしたことを発表した。カルティエも4月21日より、6−10%の値上げに踏み切る予定だ。
高級品ブランドの年1回の値上げはすでに習慣化しており、エルメス、ルイ・ヴィトンを含む各ブランドが毎年、自社の専売店の価格を引き上げている。ブランド側は、原材料価格、人件費、物流、店舗新設など一連の運営費用の増加によるものと言い訳するのが一般的だ。北京志起未来マーケティング・コンサルティング集団の李志起董事長(会長)は記者に対して、「ブランドのイメージと価値を守るため、高級品ブランドの定期的な値上げが重要な手段となっている。世界経済が不景気で、販売が減少する中、高級品ブランドの値上げは高い利益率を維持するためでもある」と分析した。
高級品ブランドの定期的な値上げにより、消費者の支出もうなぎのぼりとなっている。シャネルのバッグ「2.55」は1955年の誕生時に220ドルで販売されていたが、現在の価格は少なくとも4900ドル(約49万円)に達する。つまり「2.55」の価格は、60年も経たないうちに20倍に膨れ上がったことになる。
一流ブランドのみならず、中堅ブランドの間でも半年間で10%値上げすることが珍しくない。特に人気商品は、毎年必ず値上げされる。高級品ブランドが毎年値上げを発表すると、駆け込み買いの現象が発生する。業界内の関係者は、「香港ハーバー・シティのシャネル旗艦店では、毎年値上げ前に大行列が発生する。また海外の代理購入販売にも、一定の増加が見られる」と指摘した。走秀網の関係者は、「シャネルが4月12日に値上げを発表すると、当サイトはシャネル売り場を開設した。2日間だけで、多くの商品が売り切れとなった」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年4月22日