中国科学院華南植物園の科学者はこのほど、汚染米が重金属摂取の最大のリスクになっていることを明らかにした。この研究成果は、公共科学図書館の「PLOS ONE」に掲載された。中国科学報が伝えた。
湖南省、江西省、広東省北部などの地域は典型的な多金属鉱床生成地帯で、鉱業・冶金の活動が、自然環境、食品安全、人々の健康に深刻な影響を及ぼしている。例えば広東省大宝山鉱区周辺の新江鎮上バ村(バ=土に貝)の村民の発がん率は高く、その致死率は56%に達し、全国的に有名な「がんの村」となっている。科学者は、「環境に含まれる重金属は濃度が低くても、食物連鎖を通じて動物と人の健康を脅かし、がんを引き起こす可能性もある」と指摘した。
華南植物園生態・環境科学研究センターの庄萍氏ら研究者は、大宝山鉱区の周辺住民のがん発症率と食物の重金属汚染の関連性、飲食の異なる指標のリスクに対する寄与度といった問題について長年に渡り研究を続け、飲料水、土壌からの無意識の摂取、食物摂取などの汚染物摂取のルートを比較した。その結果、食物摂取が周辺住民の健康を脅かす主要ルートであることが分かった。
研究者の分析によると、汚染土壌に含まれる重金属の鉛とカドミウムは、食物連鎖(水田の土壌―イネ―鶏、畑の土壌―野菜・豆類、泥―雑草―魚)を通じて伝わり、米・野菜・魚肉・鶏肉に一定量が蓄積される。またサンプルの過半数の鉛・カドミウムの濃度が、国家衛生基準を超過していた。鉱区周辺の成人・児童が食物により重金属を摂取する危険指数THQは、10.2と11.1に達した(1を上回ると健康リスクが存在)。食物の重金属汚染は、現地住民が直面する大きな健康リスクとなっている。多くの摂取要因のうち、米の鉛・カドミウム汚染の比率が7割以上に達しており、現地住民の重金属摂取の最大のリスクとなっている。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年4月23日