中国では現在、暮色が深まりゆく都市の広場、農村の空き地を利用した集団ダンス「広場舞」がブームだ。参加者は中高齢の女性が中心で、BGMは適当に選ばれるが、そのほとんどは音が大きく、賑やかでやかましい音楽だ。北京青年報が伝えた。
「広場舞」は愛好家が多いが、これまでは現在のように、社会問題として物議を醸すことはなかった。
広場舞に対抗するため、警報を鳴らし、猛犬を放ち、高音スピーカーを使うといった、極端な事件も起きているが、そのうちのほとんどは双方に損失をもたらしており、中には法に違反するケースもある。
このような状況に変化が生じるかもしれない。第2回中国(上海)国際技術輸出入交易会(略称:上交会)から27日、朗報が伝わった。復旦大学の科学者は、広場舞の騒音をなくす神器、「能動指向性スピーカー」を開発した。
この神器が上交会に登場すると、直ちに注目を集めた。復旦大学力学・工学科学部教授の馬建敏氏は、「一般的なスピーカーの出す音声は四方八方に拡散される。一定方向へ放つためには、スピーカーの直径を大きくする必要がある。伝統的なスピーカーの原理と異なり、能動指向性スピーカーはまず低周波音を指向性の高い高周波音に乗せ、さらにこれを拡大し大気中に発射する。すると大気は高周波音を急速に濾過し、耳にすることのできる音が自然と濾過され、レーザーのように一定方向に伝えられる」と説明した。
馬氏は、「能動指向性スピーカーは音波を特定の区域内に収めることができる。この区域内の音波は強くなるが、この区域を離れると弱くなり、失われる。広場舞の参加者がこのスピーカーを使い音楽をかければ、他人に迷惑をかけるという問題が自ずと解消される。広場舞の騒音をなくす神器としてのほか、このスピーカーはさらにプロモーション、待合室、バス停などの場面に活用し、特定の人に向けた放送を実現できる」と語った。
馬氏は、「海外の高額の製品と比べ、中国産の神器の価格は数百から数千元のみだ。同スピーカーは音質が優れ、エネルギー効率が高く、煙霧・暴風雨・黄砂などの悪天候の影響を受けない」と話した。
中国市場ではまだ完成品が流通しておらず、この神器は年末に正式発売される見通しだ。楽観的なアナリストは、「量産化が実現されれば、各地の広場舞の騒音問題を解決できるかもしれない」としている。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年4月29日
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