中国社会科学院日本研究所、全国日本経済学会、社科文献出版社はこのほど「日本経済青書」を発表し、2015年3月末に日本政府の債務残高が1107兆円に達し、2012年の名目GDPの232.79%に達すると予想した。日本政府の債務危機は一触即発の状態となっている。経済参考報が伝えた。
同青書の内容は下記の通り。
日本政府の債務危機のリスクは、常に「一触即発」と指摘されているが、実際に危機が発生したことはない。これには、4つの原因がある。(1)国民が豊富な貯蓄を持ち、経常収支が黒字を維持しており、国債の90%以上が国民に保有されている。(2)長引くデフレと超低金利により、日本政府の債務の金利負担が減少している。(3)金融危機や欧州債務危機が頻発する国家金融市場の環境において、円と日本国債は国際資本のリスク回避ツールとして人気を集めている。(4)日本政府は欧州債務危機の教訓を汲み取り、先手を講じ、さまざまな重要な国際舞台で財政状況の改善に尽くすと約束している。
しかし、この4つの原因には、それぞれ変化が生じている。日本人の貯蓄率が低下し、経常黒字が減少し、赤字に転じようとしている。また、国内の国債の消化能力が低下している。デフレは現在、安倍首相が取り除こうとする「災いの根源」とされている。2%の物価上昇目標、3%の消費増税により、日本は超低金利時代に終わりを告げようとしており、日本政府の金利面の負担が拡大する。
国際金融市場を見ると、米国経済の回復の流れが強まっており、欧州債務危機は収まりつつある。これに伴い、円と日本国債の国際資本のリスク回避ツールとしての地位が低下している。日本政府は国際社会に対する財政状況改善の約束を公には放棄していないが、安倍政権の発足以来、国債が大量発行されているという事実がある。日本政府の約束は、「空手形」に近づいている。
政府短期証券、借款、地方債などを含む政府債務残高は2015年3月末に、2012年の名目GDPの232.79%に相当する1107兆円に達する見通しだ。
第2次安倍内閣の発足より、紙幣および国債が大量発行され、世界の投資家の円建て資産に対する自信に揺らぎが生じている。日本国内の投資家も日本国債を手放し、ドル建て資産を購入しようと検討するほどだ。安倍政権の政策は穏やかであった市場環境を乱しており、日本政府の債務危機が一触即発の状態となっている。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年5月21日