中国山東省招遠市のマクドナルド店内で5月28日、中国政府が「邪教」に指定している宗教集団「全能神」の信者6人が布教拒否の女性客を殴り殺すという事件が起き、邪教に対する注目が高まっている。邪教とは、「宗教や気功などの名を悪用し、教祖を神格化し、迷信的な邪説を利用、流布するなどして、他の人を勧誘、騙し、信者をコントロールし、社会に危害をもたらす違法組織」のことだ。邪教のほとんどは「人類を救う」とうたい、迷信的な邪説を流布する。通常、超自然的な力を持つとする救世主がおり、秘密裏に組織を作って信者をマインドコントロールする。金銭や財産を信者から搾取することがその主な目的だ。招遠市で起きた凶悪事件の犯人も、邪教の「全能神」の信者だった。
中国では現在、呼喊派、徒弟会、全範囲教会、霊霊教、新約教会、観音法門、主神教、被立王、同一教、三班僕人派、霊仙真仏宗、天父的児女、達米宣教会、世界以利亜福音宣教会の14組織が「邪教」に指定されている。 呼喊派には現在20万人以上の信者がいるとされ、「全能神」の教祖・趙維山は同組織の中心的人物。邪教は、女性や子供を手込めにしたり、金銭や財産を搾取したり、「昇天説」などを流布したりし、社会に大きな危害をもたらす。1980年代、邪教は主に農村などで活動していたが、90年代になると、新たに誕生した邪教が大都市などに勢力を伸ばし、21世紀に入ると、その勢力を国外にも伸ばすようになっている。 (編集KN)
「人民網日本語版」2014年6月4日