新中日友好21世紀委員会の中国側座長を務める唐家セン元国務委員は5日「中日関係を根本からあるべき姿に整えるのは、極めて困難で複雑なシステムエンジニアリングであり、根源から考え直し、表層問題と深層問題を共に解決する必要がある」と強調した。中国新聞網が伝えた。
新中日友好21世紀委員会の中日関係シンポジウムが同日、日本の長崎市で開幕した。中国側を代表して基調発言を行った唐氏は「中日両国という極めて複雑な関係を処理するには、双方共に真剣に従う基本原則がなければならない。これが両国関係の『源』だ。国交正常化後の42年間で中日関係が多大な発展を遂げた重要な基礎は、国交正常化時の両国政府・指導者間の一連の重要な了解と共通認識、および中日共同声明など4つの政治文書に定める各原則精神だ。一昨年のいわゆる『島購入』事件であれ、昨年末の日本の指導者の靖国神社参拝であれ、こうした原則や精神に背いたことが致命的な点だ」と指摘した。
また「日本側からは戦略的互恵関係の『原点』に立ち戻るべきとの声が常に聞かれるが、国交正常化の原則精神から離れれば、戦略的互恵関係は『源のない水、根のない木』になる。中日関係を処理するには、国交正常化の『原点』を再確認する必要がある」と指摘。中日関係の原点として「歴史を鑑とする」「小異を残して大同につく」『世々代々の友好』という3つのキーワードを挙げた。
「表層問題」については、両国関係に影響を与える突出した問題を避けることはできないとして、歴史問題と釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題を適切に処理して、中日関係を早急に安定させることが当面の急務だと指摘した。また、「両国関係の長期的で健全な安定した発展を実現するには、政治的相互信頼と国民感情という2大システムエンジニアリングに双方が大きな力を注ぐ必要がある。これが『深層問題』だ」として、双方が(1)相互認識・位置づけを改めて確立し、互いがパートナーか脅威か、チャンスか試練かという問題を根本的に解決する(2)政治・安全保障面の相互信頼を確立し、時代の潮流に沿った新安全保障観によって戦略・安全保障面の疑念や懸念を解消する(3)各分野の交流・強力をたゆまず推進し、利益の紐帯を強化し、民意環境を改善し、両国関係の長期的・安定的発展の強固な基礎を固める――必要性を指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年6月6日