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北京 高級ホテルの弁当販売に長蛇の列

人民網日本語版 2014年06月12日08:13
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今年に入って以来、北京の各高級ホテルでは宿泊・レストラン収入が減少の一途をたどっている。この局面を打開するため、多くのホテルが市民向けに格安価格でお弁当・惣菜などを売り出し、周辺で働く会社員たちに食事を提供している。一部のホテルは弁当を宅配するサービスまで打ち出している。高級ホテルなど行ったこともないという市民でも、ホテルのレストランの料理が食べられるようになったのだ。北京晩報が伝えた。

▽大好評ですぐに売り切れ

北京新世紀日航飯店では毎日弁当や惣菜を売り出しており、販売が始まる午後4時になると、付近の住民やオフィスビルで働く職員たちが大勢集まってくる。出来立ての焼餅、餡餅(中華風おやき)、豚ももの醤油煮、牛肉の醤油煮など、販売と同時に売り切れる人気の品も続出している。

同飯店のレストラン担当者の高旭氏は、「顧客は1日あたり300人ほど、販売する惣菜の量は100-150キログラムに上る。販売される惣菜は全てホテルのレストランが調理しているもので、ホテル内で提供されるのと同じ物。ホテルの会議客が減ったため、市民にターゲットを絞り販売するようになったが、想像以上に人気を集めており、現在の販売量は以前の数倍になった」と語る。

調査の結果、格安で弁当や惣菜を販売しているホテルは少なくなく、京倫飯店、西苑飯店なども同様のサービスを行っている。

▽ホテルが会社員の食堂に

北京のオフィスビルには社員食堂がないところも多い。これらのビルで働く職員たちは、どこで食事をとるかに日々悩んでいる。ファーストフードばかり食べるわけにもいかず、かといって小規模の料理店は下水油や衛生問題が心配だ。高級ホテルが弁当販売を開始してから、多くの人が食堂代わりに利用するようになった。騰達大厦で働く林さんは、付近の高級ホテルが弁当販売を開始した後、頻繁に利用するようになったという。「朝は豆乳と油条(揚げパン)、昼は20元(約330円)のお弁当、午後に主食と肉料理を買って帰れば、夕飯もほぼこと足りる。朝食は6-10元(100-160円)で十分、昼食は16-22元(260-360円)。安いし、品質も安全だ」。

双井橋付近で働く周曼さんは、「毎日午後6時になると、ルネッサンス北京キャピタルホテル (北京富力万麗酒店)でその日売れ残ったパンやお菓子が5割引になる。パン屋よりも安い価格で売り出されるので、良く同僚と掘り出し物を見つけにいく」と語る。

▽ホテルの内外で数倍の価格差

市民にとって、高級ホテルの弁当販売の最大の長所は価格が安く、品質が保証されている点だ。同じ品物でも、ホテルの内外では販売価格が数倍違う。

北京新世紀日航飯店を例にとると、ホテル内で売られている「豚の顔の煮込み」は数百元するが、ホテルの外でだと数十元で買える。ホテル内のレストランでランチを食べると100元(約1600円)以上かかるが、外なら20元以下で野菜と肉が入ったお弁当が買える。

▽背景:贅沢禁止令でホテル収入が半減

これまで、北京のホテルは行政接待やMICE(会議、インセンティブ旅行、国際会議、展示会・見本市、イベントなど)に過度に依存してきた。しかし、「三公経費」(接待費、出張費、 公用車費)が厳しく規制されるようになり、ホテルは相当な打撃を受けた。大まかな統計によると、三公経費の規制により、北京のホテルの宿泊・レストラン収入は半分以下に減ったという。

中国星級ホテル業協会の関係者は、「庶民向けへのシフトは良い選択だ。高級ホテルも大衆市場を重視する時が来た。昨年から、多くのホテルは政務・ビジネス目的の顧客にばかり頼っていられなくなり、一般市民向けのサービスを打ち出し始めた。これは市場からも大いに歓迎されている」と語る。

このほか、一部のホテルはブッフェの割引(共同購入)、大型会議・イベントのための弁当販売、誕生日ケーキのネット予約など、さまざまな市民向けサービスを打ち出している。(編集SN)

「人民網日本語版」2014年6月12日

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