中国、チェコ、フランス、フィンランド、ドイツ、イタリア、ロシア、米国の200人以上の科学者によって構成される江門地下ニュートリノ実験(JUNO)国際共同チームが、30日に北京で発足された。参加する研究機関および大学は、50以上に達する。中国科学院高エネルギー物理研究所の王貽芳研究員が、同チームの報道官に就任した。同チームはJUNOを通じてニュートリノの研究を進めていく。科技日報が伝えた。
中国が2012年に主宰した大亜湾原子炉ニュートリノ実験で、ニュートリノの3種類目の振動が発見され、世界の粒子物理学界から「未来のニュートリノ研究のドアを開いた」と評価された。中国人科学者はその後、ニュートリノ研究の次の重大問題「ニュートリノ質量行列」に取り組むべく、江門ニュートリノ実験を発起した。JUNOはすでに広東省江門市開平市打石山の一帯を候補地としており、実験室と実験装置を地下700メートルに建設する予定だ。工事は今年の年末に始まり、2019年末に竣工し、稼働開始する見通しだ。JUNOの規模は大亜湾ニュートリノ実験の100倍以上に達し、20年以上の研究を予定している。JUNOは宇宙の神秘を明らかにし、粒子物理法則を把握し、宇宙学、天体物理学、地球物理学に重大な貢献を成し遂げる。
王氏は、「中国科学院など国内外の科学基金の支援を受け、JUNOは急ピッチで進められる。今後10年間で、物質世界に対する理解が、現在よりさらに深まることになる。JUNOは原子炉ニュートリノの性質を研究し、中国ニュートリノ物理のスタートから飛躍への移り変わりを実現し、中国が将来的に世界トップ水準になるための基礎を築く」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年7月31日