国防科学技術大学はこのほど、新型電磁波画像検出器の開発に成功した。同検出器は非金属介在物を透過し、内部の微小隠蔽物を検出し、物体を画像化することができる。その解像度は2mmに達し、建築、生物医学、対テロ、安全検査などに幅広く活用できる。科技日報が伝えた。
同検出器は一般的な炊飯ジャーと同じサイズで、一人で手に持ち操作できる。X線やCTスキャナーといった設備と比べ、大幅に小型化・軽量化された。同設備は電磁波により検出を実施することから、強い放射線にさらされる危険がなく、操作者もX線スキャナーの使用時のような保護を必要としない。同検出器の電磁波の放射線は弱く、携帯電話の10分の1以下で、人体にとって非常に安全だ。
同検出器は電磁波により、物体内部を検出・画像化する。超帯域電磁波発射モジュールが内蔵され、非金属物質の内部を急速にスキャンできる。高いデジタル信号処理能力により、スキャン対象の内部の構造と異物の形状を明瞭に表示できる。同検出器の使用は、「透けて見える眼鏡」を掛けることに例えられる。同検出器には幅広い用途があり、建築物の鉄筋・ケーブルの分布、生物組織の早期がん、建築物内に埋め込まれた爆発物、服に隠された武器や危険物の検査が可能だ。
開発者の陸珉准教授は、「早期がんの組織の密度変化は小さく、CTスキャンでは高い効果が得られない。しかし電磁波の特性は変化が大きく、電磁波を使うことで高い効果が得られる」と説明した。
同検出器は中国で唯一電磁波によって高精度二次元透過・画像検出を実現した装置で、その解像度は世界先進水準に達している。同検出器は中国の多くの業界に重要な技術サポートを提供し、一部の分野ではX線・CTスキャナーなどの強い放射線を発生させる装置の代わりになることも可能だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年6月10日