上半期の日本の貿易収支統計データによると、日本の貿易赤字は7兆5千億円(約683億ドル)に達し、35年以来の最高紀録を更新した。日本が2011年から貿易赤字国となってから、赤字額は年々上昇している。2011年には4兆4千億円、2012年には2倍近くの8兆1千億円、2013年には13兆7千億円に達した。上半期の状況から見ると、2014年の通年赤字額は14兆円を超える見込みだ。「経済日報」が伝えた。
貿易赤字増加の原因としてはまず、輸出が順調でないことが挙げられる。上半期の輸出は3.2%の成長となったが、輸出が力強い成長を見せたこれまでの経済回復と比べると、現在の成長は底力が不足しており、その成長は主に円安の追い風を受けたものだ。上半期、自動車の輸出はいくらか成長したが、これまで輸出が強かった家電産業と電子産業の不調には歯止めがかかっていない。冷蔵庫や洗濯機などの白物家電の輸出量は大幅に低下し、日本は事実上、白物家電の純輸入国となった。汎用電子部品の輸出も下がっており、日本企業は海外の安価な電子製品を好むようになっている。携帯電話は今最も旺盛な市場だが、「Made in Japan」の携帯電話の国際市場でのシェアは低く、産業内での優位性を形成できていない。日本の輸出能力は明らかに弱まり、かつては10%に達していた国際輸出市場でのシェアは4%にまで下がっている。
日本の巨額の貿易赤字の原因は一般に、原油や液化天然ガスなどの資源型製品の輸入が多いことと考えられている。日本政府と安倍政権に近いメディアは、貿易赤字の原因は石油・天然ガスの大量の輸入にあるとさかんに訴えているが、原子力発電の再開のための世論形成の動きと見られる。実際の状況はそれほど簡単ではない。複数の権威ある機構の調査によると、日本が東日本大震災後に原子力発電所の運転を停止したことで、発電用の液化天然ガスの輸入は確かに増えたが、その増加量は限定的なもので、毎年約1.3%から1.6%にとどまる。だが貿易統計に反映される金額は大きく、年間増加額は約3兆円にのぼる。国際原油価格の高騰のほか、円安の持続もこれに拍車をかけている。輸入量がほぼ変化しない前提で日本円が10%安くなれば、2兆円の貿易赤字が生まれることとなる。
日本の貿易赤字の高まりは日本政府の円安政策と大きく関係している。安倍内閣の指示の下、日本銀行は史上最大の量的緩和政策を取り、日本円の大幅安を誘導し、輸出の拡大をはかった。日本政府は、輸出によって経済を回復させようとしている。だが事態の発展は日本政府の思惑からは大きく外れ、輸出の成長がなかなか進まないまま輸入額が増えたことで、貿易赤字が雪だるま式にふくらむこととなった。
消費税の引き上げも行われた現在、日本経済は、回復を持続するかこのまま不振に陥るかの要の時期を迎えている。経済専門家は、経済回復は輸出を動力とすべきだとしている。上半期の巨額の貿易赤字からは、人々が期待していた輸出の成長には限りがあり、経済を引っ張る総体的な動力が足りていないことがわかる。日本銀行はすでに、今年の経済成長見通しを引き下げている。日本政府も最近、経済成長予測を年初の1.4%から1.2%へと引き下げた。だが安倍内閣が円安政策を放棄しない限り、貿易赤字の高止まり状況の改善は難しいだろう。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年7月31日