2016年9月8日  
 

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日本人が北京で見つけた「粋」  お互いに学び合うために

人民網日本語版 2015年03月12日16:06

「ママ、のどが渇いた」。先月5歳になったばかりの娘と、国貿商城のスケート場に出かけた時のこと。お金を払って物を買う仕組みをようやく理解し、また何とか中国語でコミュニケーションが取れるようになった彼女は「自分で!自分でお水買ってくる」と言い張る。筆者が「お釣りをちゃんともらってきて」と財布から10元を取りだすと、「まかせて!」と娘は一目散にサンドイッチ店『Subway』に駆けて行った。(文: 佐々木美穂 国際協力機構・中華人民共和国事務所次長)

しばらく経って、娘が店から出てきた。右手に握った紙コップには水が入っているらしく、こぼさないよう慎重に歩いてくる。「紙コップのお水を、買わされた?」と筆者は思った。「お釣りは?」と声を掛けると「あるよ!」。小さく左右に振って見せた左手に数枚の1元札。てっきりペットボトル入りのお水を買ってくると思っていた。「温水器から酌んだ紙コップの水なら、無料でもよさそうなもの。しかし、お釣りがあるということは、お店は1元くらい取ったかな?」

「はい、お釣り」。そろりそろりと呆れるほどの時間をかけてベンチにたどり着いた娘は、筆者にお札を押し付けると、喉を鳴らして水を飲み干す。その横でお釣りを数えた筆者は驚いた。10元。もう一度数えた。5元札が1枚と、1元札が5枚で10元。紙コップの水は、やはり無料だった。

『Subway』の店員は、片言の外国語で買い物に来た、小さいお客の「メンツ」を立ててくれたのだ。娘が「買い物ができた」と思えるよう、わざわざ10元を受取り、お釣りに見立てて細かいお金に変えてくれた。「あぁ!おいしい!」。自分の力で買えたと信じ込んでいる娘に、その水の味は格別だったと思う。


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コメント

最新コメント

テキトー男   2015-03-17202.228.54.*
素晴らしい店員さん!こういうところを見習わなくちゃ。