湖北省の長江で、大型客船「東方之星」が転覆したことで、3回目の記者会見が3日午後開催され、交通運輸部(省)の徐成光・報道官が、捜索範囲を転覆現場の下流220キロまで拡大することを明らかにした。また、ダイバーが潜水し、船室を一部ずつ捜索し、生存者を捜しているほか、3日午後の時点で、救援船3隻が現場に駆けつけ、他の2隻も現場に向かっており、同5隻が揃い次第、「東方之星」の吊り上げを行う予定だ。転覆現場付近は交通管制が敷かれているものの、上り下りの他の船舶の通航は再開し、現場では巡視艇が指揮に当たっている。人民日報が報じた。
徐報道官によると、権威ある技術専門家が、決して事実を覆い隠さないという原則の下、科学的に転覆の捜査を実施するための準備が既に行われている。現在、関連当局が救出された船員から聞き取り調査などを行っている。
現在、水面のほか、水中でも、生存者の捜索活動が実施されている。中国海上捜索救助センターによると、ダイバーによる船内の捜索と、船体の吊り上げ作業の準備が行われている。しかし、転覆水域は流れが速いことに加え、ここ数日雨が続いていることで、水が濁っているほか、客室が狭く、さらに、転覆した際に、荷物などが通路を塞いでしまったため、捜索は難航を極めている。
「東方之星」は現在、ダイバーによりワイヤーで固定され、浅瀬に移動された。しかし、同客船は船底が1メートルほど水上に出ているだけの状態だ。
3日夜、前方指揮部は、5回目の記者会見を開催し、徐報道官が、同日夜9時の時点で、海軍と運輸当局がダイバー202人を動員し、165回にわたって潜水したことを明らかにした。最も深いところで15メートルの位置を捜索しており、潜水時間は計4250分になっている。
長江航務管理局は、「東方之星」を運行していた「重慶東方輪船公司」に緊急通知を出し、同社が所有する船舶に対する全面的な調査を行うほか、「東方之星」と同型の「東方之珠」については、運行を停止して検査するよう指示したという。また、災害が発生する恐れのある悪天候などになった場合の情報収集を強化し、その情報を所属する全ての船舶に送り、船舶が関連の安全対策を講じ、同様のことが二度と起こることのないよう、可能な対策を全て講じるよう指示した。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年6月4日