1日午後9時28分(日本時間午後10時28分)、江蘇省南京市から重慶市に向かっていた重慶東方輪船公司の保有する客船「東方之星」が、湖北省荊州市監利県を流れる長江で竜巻にあおられ転覆した。2日午後9時の時点で、14人が救出され、7人の死亡が確認されている。現在も、懸命の救助活動が続けられている。人民日報海外版が伝えた。
中国気象局は2日午前、専門家グループを現場に派遣した。気象観測、気象レーダーのデータ、現場での調査・分析の結果、事故当時、現場付近では直径1キロ以内の竜巻が15分から20分間にわたって持続し、最大風速は32.7メートル以上に達していたことが分かった。局地的、小規模で、突発的な災害だったと言える。
同日午後5時30分、監利県が行った記者会見で交通運輸部(省)の楊伝堂部長が明らかにしたところによると、船に乗っていたのは観光客405人、乗員46人、観光ガイド5人の計456人。観光客は7省・直轄市の住民で、江蘇省が204人、上海市が97人、浙江省が11人、天津市が43人、福建省が19人、安徽省が8人、山東省が23人だった。
楊部長は「事件発生後、救援指揮部はただちに長江上流・下流の海事部門と協力し、付近の船舶を動員して捜索・救援活動を展開した。すでに110隻あまりの船舶、長江沿岸の将兵や民衆4千人あまりが救援活動に参加している」とした。
現在、転覆した客船はこれ以上沈むのを防ぐため潜水士によってロープで固定され、船の底部が水面に露出した状態となっている。
湖北省軍区の陳守民・司令官によると、北海艦隊、東海艦隊、南海艦隊、海軍工程大学の潜水士計140人が2日、潜水器具を携え、客船が転覆した現場に向かった。11時20分、先に到着した海軍工程大学の潜水士13人と、地方航道局の潜水士が客船の中に入り、2人の観光客の救出に成功した。残る120人の潜水士も2日夜に現場に到着した。このほか、広州軍区の潜水兵50人、およびサルベージ船5隻も現場に向かっているという。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年6月3日