今年1月、中国人民銀行(中央銀行)は「個人信用調査業務の準備に関する通知」を発表、芝麻信用を含む8つの機関に個人信用調査業務の準備を指示し、6ヶ月間の準備期間を与えた。同月末、芝麻信用は国内で初めて個人信用ポイントを発表し、初の小規模な測定を行い、ホテルやタクシー、金融といった分野の業界とともに様々な新しい信用サービスを展開した。
書類が煩雑で申請困難なシェンゲンビザ
煩雑なビザ申請手続きは、海外旅行を望む中国人の苛立ちの種。在職証明、戸籍証明、身分証、個人情報登記表、会社の営業証明副本コピー・・・。旅行代理店に依頼するとしても、様々な書類で信用を証明する必要があり、こうした書類を揃えるためには多くの資金と時間が削られ、多くの人が証明不足として発給を拒否され、大きなショックを受ける。旅行サイト「窮游網」は全国のユーザーのシェンゲンビザ申請の失敗例を紹介するコーナーを特設しているほどだ。
申請条件の厳しさと提出書類の多さから、シェンゲンビザは「世界一申請の難しいビザ」の一つとも囁かれている。ある公開情報によると、これまで施行されてきた規則では、ルクセンブルクビザの申請には戸籍証明、身分証明書とそのコピー、航空券とホテルの保険支払い証明、在職証明、収入証明書類など10種にのぼる書類が必要だ。
そんな中、国内初の個人信用ポイントを管理する芝麻信用は、現在大使館や旅行代理店と協力してビザ発給の条件緩和策を検討している。芝麻信用とアリトリップ、ルクセンブルク大公国在上海総領事館は近日、正式に協力協定に調印。今後芝麻ポイントが750ポイント以上のユーザーであれば、アリトリップを通じて、シェンゲン圏26カ国の一つであるルクセンブルクの「信用ビザ」を取得することができ、また、シェンゲンビザの規定に基づき、ルクセンブルクのビザを取得する旅行客はシェンゲン圏を自由に行き来することが可能となり、他の国のビザを改めて申請する必要がなくなった。