全国各地の大学入試の結果が相次いで公表されている。あるネットユーザーは、「ロボットを大学入試に参加させたら、何点とることができるか?」というユニークな質問を提起した。記者は中国科学院自動化研究所パターン認識国家重点実験室研究員補佐の汪昆氏に、この質問を投げかけてみた。「ロボットの大学入試」というと、ユニークで簡単な話題に思えるが、自動翻訳および自然言語処理を専門とする汪氏にとってこれは、複雑な科学技術に関わる問題だ。経済日報が伝えた。
汪氏は、ロボットが入試に参加するシーンを次のように描写した。ロボットは問題文を読み、リスニングを行い、図形を識別する際に、まず人類の言語・図形をコンピュータが処理できる形式言語に変換する。さらに解析・理解・処理を行い、最終的に人類に理解できる形によって答案を提出する。
汪氏は、「これは音声認証、自然言語処理、自動回答、自然言語生成などに関わってくる。例えば私たちがロボットに対して、姚明(元プロバスケット選手)の身長は?という問題を出したとする。ロボットはまず分節化を行い、この言葉に含まれる重要な人物や場所などの情報を特定し、文法と語義の分析を行う。質問を理解した後、知識バンクを使い答案を導き出し、人類に分かる手段により回答する」と述べた。
汪氏によると、ロボットは中国語よりも英語の方が理解しやすい。英語の関連技術の方が早くから研究・開発され、発展のペースも速いためだ。また言語的な特徴から、英語はロボットに判断されやすい。
現在のロボットの「知恵」では、大学入試で満点を取り「神童」になるのは難しい。汪氏は、「中国では現在、専門的に入試ロボットを研究しているチームがある。これは入試という場から応用の範囲を広げ、難題を絶えず解消し、関連技術の画期的な進展を促し、ロボットの普及を促進するためだ」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年6月26日