一部の地方はすでに、主要産業を伝統的な製造業から新興のクリエイティブ産業へと転向しているが、銀行のリスク管理は依然として古い見方と古い標準に基づいている。たとえば、企業の収益率や担保資産状況といった財務指標は、製造業には適しているかもしれないが、一部の新型企業は現在の収益よりも、顧客と取引データがもたらす潜在的な収益を重視している。また、「古い指標」で新しい企業を評価することで、判断のずれやミスが起こりうる。最近、クリエイティブ・創業タイプの企業が雨後の竹の子のように出現するものの、銀行から融資を得られる企業が極めて少ないのもうなずける。
このほか、新エネルギー業界の発展も日進月歩の勢いだが、銀行は依然として伝統的な電力・石炭業界を重視しており、新エネルギー業界への重視が足りない。貸付の増加などもってのほかだ。生産能力の過剰な一部の業界にも、多くの「金鉱」が潜んでいる。たとえば、船舶業界は今、苦しいモデルチェンジ・アップグレードの時を迎えている。業界全体が不景気に悩まされているが、業界内には競争力の高く、受注の多い企業も存在する。しかも、不景気な業界は改革を大々的に推進する必要があり、企業間の合併や再編にも強い融資のニーズが存在する。これらの業界をまったく重視しなければ、全ての企業が共倒れになってしまう。これは、優秀な企業に損害を与える行為であり、銀行側も優秀な顧客を失い、市場を失ってしまうこともある。
もちろん、銀行のモデルチェンジ・革新において、リスクを無視してはならない。預貸率が撤廃された後、銀行によるリスクを省みない過剰融資をいかに防止するべきか?これには、監督管理部門が国際的な基準に照らし、一連の新たな指標を確立し、銀行の流動性に対して全面的な監視を行う必要がある。銀行側も穏健な経営を心がけ、実体経済により多くの資金を投入すると同時に、リスクのボトムラインをしっかりと把握し、「血液」を絶えず供給すると同時に、安全性と持続可能性も確保しなければならない。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年7月14日