少し前に中米両国首脳がワシントンで会談した。中国の習近平国家主席は共同記者会見で、中米双方は南中国海問題で多くの利益を共有すると指摘した。(文:沈丁立・復旦大学国際問題研究院副院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
習主席はまた「中米双方は共に南中国海の平和と安定の維持を支持し、直接の当事国の交渉と協議による争いの平和的解決を支持し、各国が国際法に基づき享受する航行と上空飛行の自由の維持を支持し、対話を通じた溝の管理・コントロールを支持し、南中国海における各国の行動宣言の全面的で有効な実行を支持するとともに、協議一致を基礎に「南中国海における行動規範」を早期に妥結することを支持している。双方は引き続き問題について建設的な意思疎通を保つことで合意した」と表明した。
中米双方が南中国海問題で「建設的」な意思疎通を保つべきであることは間違いない。これについて双方に異議はない。
だが、米軍の一部、例えば太平洋艦隊のスコット・スウィフト司令官はこのほどシドニーで行われた海軍会議で「中国による(南中国海)での島造成やアジアの海における脅迫行為が懲罰を受けないことはあり得ない」と非「建設的」に表明した。
米軍側の非「建設的」な発言はこれが初めてではない。中国が「海洋の脅威」を作りだしているとの米側の再三の喧伝に対して、中国は是非を説かざるを得ない。中国の行為は理と情と法に合致しており、中国は世界で初めて島・礁建設を行った国でないのみならず、最後の国でもない可能性が高い。真の問題は、南中国海で以前から長期にわたって島造成を行ってきた国に対して、米国はなぜ何も言わなかったのかだ。中国が建造活動を終えた後、米国は依然南中国海で島造成活動を行う国に対してなぜ厳重に処罰するとのメッセージを発しないのか。