世界気象機関(WMO)は9日、地球の温室効果ガスの濃度が2014年に再び過去最高となったことを発表するとともに、これから開催される国連気候変動パリ会議で世界各国が合意に達するように促した。チャイナネットが伝えた。
この日発表された「温室効果ガス公報」最新版によると、工業や農業などの生産活動がもたらす二酸化炭素などが長期に渡って存在することから、地球の大気の放射ひっ迫レベルは2014年に1990年比で36%上昇したという。
通常、科学者が放射ひっ迫レベルを測定する際は、二酸化炭素など温室効果ガスが気候に与える影響度合いと、産業革命前におけるこれらガスの濃度との差で計算する。
本報告によると、2014年の地球の大気中の二酸化炭素濃度は397.9ppmに達し、これは産業革命前(1750年)の143%にあたる。しかも昨年中に増加した二酸化炭素は、過去10年の平均数値と同様である。またメタンや亜酸化窒素の濃度は、産業革命前と比べてそれぞれ254%と121%だった。
「我々は毎年、温室効果ガスの濃度が過去最高を記録したと報告し、毎年、もう時間がないと言ってきた。我々がまだ地球温暖化を解決したいと思っているのなら、すぐに行動する必要がある。温室効果ガスの排気量を大幅に削減すべきだ」と、世界気象機関の事務局長であるM.ジャロー氏が述べた。
報告によると、北半球大気の二酸化炭素濃度は2014年春に400ppmを超え、2015年の春にも400ppmを超えた。ジャロー氏は、大気の二酸化炭素濃度が400ppmを超える状態が全世界で普遍的に生じる可能性が高いと強調している。
「我々には二酸化炭素の姿を目にすることはできない。しかしそれは現実的な脅威となっている。二酸化炭素の増加は地球の気温上昇を意味する。つまり酷暑や洪水など極端な気候事件が頻繁に発生するということだ」と同氏は警告するとともに、「これらの事件は今現在発生しているだけでなく、恐るべき速度で予測不可能な状況に陥ろうとしている」と述べた。
「人民網日本語版] 2015年11月13日