仏パリ中心地の公共の場で同時多発テロが発生し、129人の死者と352人の負傷者が出た。パリ当局によると、自爆に使われたのは高性能爆薬「TATP(過酸化アセトン)」だ。この手製の爆発物は、2005年に52人の死者と700人以上の負傷者を出した、ロンドン地下鉄爆破テロでも使用された。科学網が伝えた。
TATPはニトロ基を含まないため、ニトロ基に対応する爆弾検査装置では検知できない。これは爆発物の安全検査に、より高い技術的要求を突きつけた。
中国科学院合肥物質研究院医学物理センターのスペクトル・質量スペクトル研究室は2008年に、非放射源イオンモビリティー分離爆発物検査装置を開発した。同装置は通常のニトロ基を使用した爆発物を検知できるほか、手製のTATPを検知できる。同研究室がこのほど開発した新型イオンモビリティー分離爆発物検査装置は、高・低温、高温高湿、振動衝撃、放電試験、電磁適合、ソフト評価、性能の対比といった第3者の試験に合格し、公共安全が直面する課題に先進的な技術を提供した。同研究室は2008年に陽子移動型質量分析計 (PTR-MS)を爆薬の検査に使用し、TATPのスムーズな検出を実現した。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年11月26日