1978年に改革開放政策が実施されて以降、中国は常に、「発展の権利」を人類が生存し発展していくための基本的な権利とみなし、経済発展の推進を基本的方針としてきた。そして、貧困者支援プロジェクトを大きく推進し、全社会を上げて貧困問題の解決に乗り出してきた。その甲斐あり、約30年の間に、中国の貧困者数は大幅に減少し、貧困撲滅事業も大きく促進されてきた。世界の貧困撲滅において大きな役割を果たしており、中国は発展途上国のモデルと言える。(文:顧清揚・シンガポール国立大学李光耀公共政策学院准教授。人民日報掲載)
「第12次五カ年計画(2011-15年)」の期間中、中国経済は強い下方圧力に直面しているものの、貧困層の著しい減少という世界的に注目される成果を上げている。13年と14年は、2年連続で貧困層を1000万人減少させるという目標を達成した。
中国の貧困撲滅事業の発展は、世界においても重要な意義を持っており、中国は世界の同事業においても今後、非常に重要な役割を果たすようになるだろう。南南協力(途上国の国・地域同士が政治、経済などの分野において協力すること)などの現有の国際協力をベースに、中国は、「1ベルト、1ロード」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の構築を積極的に進め、アジアインフラ投資銀行やBRICS新開発銀行、および関連の投資ファンドにおいて重要な役割を果たしている。特に、発展途上国の都市部や農村部のインフラ整備を促進し、各国が秘めている生産能力を引き出すことで、所得を効果的に向上させ、現地の貧困層減少につなげている。
世界の発展という観点からみると、中国は、平和・調和がとれた繁栄を共有する道を歩んでおり、中国の経済・社会の発展を実現するとともに、できる限り他の発展途上国の発展も促し、責任ある大国としての役割を果たしている。今年10月に北京で開催された貧困撲滅と発展をテーマにしたフォーラムは、中国が経済発展において大きな成功を収めた後に、世界と発展の理念を共有し、大国の約束を実現する場だった。
中国発展の世界における意義は、世界に安価で質の高い製品を製造して提供するというだけでなく、その発展成功の経験を共有し、発展途上国が貧困から脱出し、発展を実現するよう支援することにもある。
今後、中国の貧困撲滅の道は新たな課題に直面するだろう。貧困層は今後、各地に分散し、撲滅事業のコストは上昇するだろう。中国は、正しい政策と戦略を堅持し、着実に包容力ある発展を続け、社会全体が改革開放路線と社会発展の成果を享受できるようにしなければならない。
「人民網日本語版」2015年12月4日