▽「2人っ子政策」は男女比のアンバランス解消に役立つ
多くの学者が、自然な出産が行われる状態では、子供を多く生むことで出生人口の男女比の均衡が保たれる。これは出生人口男女比のバランス化に役立つと指摘している。
2人っ子政策」が全面的に実施されれば、1人目の子供が男の子だった家庭では、2人目に女の子を望む、あるいは2人目の性別をそれほど気にしなくなる。これによって、女の子の出生率が相対的に高まることになる。しかし重要なのは、根本的な問題を解決すること、すなわち女性の社会的地位を高め、男女平等を実現することだ。
▽「結婚できない男性」が3千万人以上 結婚・就職問題も
南開大学人口・発展研究所の原新教授は「30年あまりにわたって続いている出生人口の男女比のアンバランスは、先天的な性別構造のアンバランスを招き、中国人の結婚や就職面での性別構造にも影響をもたらす」と指摘する。
まず、男性が多く女性が少ないことによって結婚のプレッシャーが高まる。こうした影響は、1990年生まれが結婚・出産する年齢に入る2015年ごろから強まる。このほか、一部地域へのしわ寄せも顕著化する。人口の流動により、男性は大都市では結婚相手が見つからないが、農村では見つかるというケースが増える。そうなると農村の男性はさらに貧しい地域で結婚相手を探すことになり、最終的には最も貧しく立ち遅れた山岳地帯が「独身だらけの村」になりかねない。
このほか、男女比のアンバランスは就職にも影響をもたらす。これまで女性優位だった職業に男性が進出すれば、女性の社会的地位の向上に影響が及ぶ。また、結婚相手が見つからないことによって社会的な不安定が招かれ、性的暴力、人身売買、売買婚、子供の誘拐などの事件が増える。(編集SN)
「人民網日本語版」2016年1月20日