中東情勢は最近再び波瀾を生じている。新旧の様々な問題が交錯し、地域情勢に新たな不確定要素をもたらしている。中東情勢は2010年末の動揺以来の新たな動揺期に入り、再び国際問題の中心、世論の焦点となっているようだ。(文:伍亜飛・国際問題ウォッチャー。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
中東の動揺は真新しい事ではない。中東は世界の紛争問題が最も集中し、摩擦が最も複雑な地域だ。第2次大戦以来、世界で勃発した600余りの戦争の6割近くが中東で起きた。ゼロサムゲーム、勝者が全てを得る考えがはびこり、対話と協議、政治的解決は度々軽んじられてきた。これは平和・安全の難題が中東を長期間悩ませてきた重要な原因だ。一部の西側国は常に自らの考えで中東を改造しようとし、地域各国内部の問題に度々介入し、さらには武力によって他国の合法的政権を無理矢理転覆してきた。だが彼らの「処方箋」は効を奏しなかった。
中国は責任ある大国であり、中東問題において終始正義、信義、道義を貫き、西側の理念とは異なる中国の特色ある中東外交の道を歩み、各国から信頼され、重んじられる対象となった。
第1に、地域の紛争問題の政治的解決を常に提唱し、中東の平和と安全の維持に尽力している。紛争問題の政治的解決を推進することは、中国の特色ある中東外交の核心だ。中国は提唱者であると同時に実践者であり、中国の中東問題特使は長年にわたり頻繁に地域の国々の間で調停に奔走してきた。シリア問題において、中国は政治的解決を推進し、平和を促進する揺るぎないパワーだ。イラン核問題では、建設的姿勢で協議に参加し、最終合意に積極的に貢献した。中国側の努力は紛争問題の緩和にプラスであり、地域情勢の一層の緩和を促進している。
第2に、平和共存五原則を基礎に中東諸国との対等な関係を発展させ続けている。中国は常に地域の国々と対等に接し、中東諸国が自らの国情に沿った発展の道を探ることを支持し、特に外国勢力が一国の合法的政権を無理矢理転覆することには反対している。これは西側諸国と鮮明なコントラストを成し、中国特有の責任感を示している。中国はシリア問題において原則を堅持し、拒否権を4回発動し、国連憲章の趣旨・原則と国際関係の基本的準則を守り、大多数の中東諸国の理解と支持を得た。