強い意欲だけではない。イランには「一帯一路」の呼びかけに答えるための非常に大きな潜在力がある。イランには石油と天然ガスの豊富な埋蔵資源があり、国土面積(160万平方キロメートル)と人口規模(約8千万人)はいずれも世界トップ20に入っている。インフラは完備し、整った工業経済体制がある。大学教育の普及度は高く、国民全体の文化的レベルは高い。先にはイラン核問題の全面的合意が正式に実行され、欧米諸国はイランに対する経済制裁を解除した。
中国企業には強い競争力があり、イランでも頭角を現している。テヘランにある中国企業の責任者は、「テヘランは地下鉄5路線を建設中で、同社がそのうちの3路線を請け負っている。今後、イランの10数都市で地下鉄の建設工事が行われる見込みで、中国企業は優れた建設請負能力と技術サービスをよりどころとしてさらに多くのチャンスをつかまえるだろう」と話す。筆者もイランの街角で、力帆、長安、吉利といった中国ブランドの自動車をしばしば目にした。
イランの押さえ込まれた外資の需要は1兆ドル(1ドルは約118.8円)に達するとみられる。習主席の訪問直前にテヘランで出会った中国の企業家はイランの将来の投資チャンスに強い自信を見せていた。ただ、イランの政策環境にはさらなる改善が待たれ、投資・融資体制のバージョンアップも必要で、押し寄せる外国人に対するイラン社会の適応度もさらに改善の必要がある。
イランの国民はよくわかっている。中国がイランにもたらすものは戦いでもなく、制裁でもなく、政治的な条件でもなく、経済的な圧迫でもない。中国がもたらすものは共同で検討し、共同で建設し、共同で恩恵を享受する「一帯一路」だ。自国の発展戦略と中国の発展戦略を連携させ、中国の発展のメリットを享受することは、イランにとってまたとない喜びだろう。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年1月23日