旅行サイト「去哪儿網」と多数の航空会社との間に起こった紛糾が、航空券販売代理業界を大きく揺さぶっていることが注目されている。中国国際航空(エアチャイナ)は20日、航空券価格の混乱を立て直し、規範化することへの第一歩を踏み出した。同社華北マーケティングセンターはこのほど、航空券販売代理店に対して通知を出し、搭乗券に運賃を記載する試行をスタートさせることを告知、価格の上乗せや値引きを行わないよう求めた。京華時報が伝えた。
〇中国国際航空、搭乗券に運賃記載
通知の細則によると、中国国際航空の「搭乗券への運賃記載」は、今年1月8日、PCや携帯端末に出しているオンライン航空券価格ですでにスタートした。まずは、北京―杭州、北京―フフホトの国内2路線で試行が始められた。現時点では、対象となる航空券は国内線チケットで、搭乗券に記載される運賃は、乗客が支払った全行程分の総額で、航空券価格、空港施設整備費、燃油サーチャージが含まれる。
時間的な経過から見て、この措置が、航空券販売代理店で最近起こった騒ぎと関係が深いことは、誰もが容易に見て取れる。だが、中国国際市場部の何志剛部長は、「今回の措置は、かなり前から検討していたものであり、騒ぎとは関係はない。タイミング的にこうなっただけだ」と強調した。
今後、この措置が全国的に広がるのかどうか、何部長は、「今回の試行の効果が見られるならば、北京発の国内路線に段階的に広げていきたい」としている。
〇航空券販売代理店の規範化が狙い
中国国際航空による搭乗券への運賃記載は、ある特定の企業を意識して行った措置ではないが、民用航空専門家の林智傑氏は、「中国国際航空の今回の措置によって、代理店の動きが規範化の方向に向かうであろう。運賃が透明化されれば、代理店がグレーな手段で利益を貪るという状況は、さらに抑制される」との見方を示した。