外交部(外務省)の陸慷報道官は1日の定例記者会見で「米国が『航行の自由』を旗印に武力を誇示し、緊張をもたらしていることが南中国海軍事化の最大の誘因だ。中国側は、他国を損ない自国も不利にするこうした行為を止めるよう米側に忠告する」と表明した。
米海軍のイージス艦が1月30日、中国の法律に違反して、中国の西沙(英語名パラセル)諸島の領海に進入した。中国の島防衛部隊と海軍艦艇・航空機は直ちに対処行動を取り、米軍艦に対して識別・調査を行うとともに、退去するよう迅速に警告した。
同日、米国防総省報道官は、米軍艦が中建島(英語名トリトン島)12海里海域を「無害通過」したと表明。今回の「航行の自由」行動は米国その他の国の航行の権利と自由を制限する過度の海洋主張に対するもので、領有権主張に対するものではないとした。
陸報道官は「米国の長年来のいわゆる『航行の自由計画』は、一致して認められた国際法に沿わず、沿海諸国の主権安全と海洋権益を無視し、地域の平和と安定を深刻に脅かし、その実質は『航行の自由』を名目にした海上覇権の推進であり、数多くの発展途上国を始めとする国際社会の多くの国々の断固たる反対を受け続けているということを指摘したい。米側のこの手法は非常に危険で、無責任なものだ」と指摘。
「中国は南中国海の諸島及びその周辺海域に対して争う余地のない主権を有している。中国は各国が国際法にのっとり享受する航行の自由を一貫して尊重し、支持している。だが誰であろうと『航行の自由』を口実に中国の主権、安全、海洋権益を損なうことには断固反対している。米国が『航行の自由』を旗印に武力を誇示し、緊張をもたらしていることが、南中国海軍事化の最大の要因だ。われわれは米側に対して、他国を損ない自国にも不利なこうした行いを早く止めるよう忠告する」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年2月2日