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微小重力実験衛星「実践10号」、生活に役立つ実験内容

人民網日本語版 2016年04月11日11:21

中国初の微小重力科学実験衛星、帰還型科学実験衛星「実践10号」が、6日未明に打ち上げられた。この科学実験目的の衛星は、19の科学実験という「乗客」をのせて実験を実施する。これらの「乗客」にはどのような研究価値があり、中国の宇宙科学に対してどのような意義を持つのだろうか?人民日報が伝えた。

実践10号の科学実験は、主に宇宙飛行中に生まれる微小重力(無重力)環境を利用する。地球上で発生する多くの物理現象は、重力の影響を受ける。この影響をなくすことで、地球上で起こりえない独特な現象を確認し、重力に覆い隠された秘密を明かすことができる。

中国は2020年頃に、宇宙飛行士が長期滞在する宇宙ステーションを建設するが、防火が大きな問題となっている。防火にはどのような材料を使用するべきだろうか?使えない材料はあるだろうか?火災をいかに発見し、消火するべきか?実践10号が実施を予定している「導線絶縁層着火実験」「典型的非金属材料着火実験」では、衛星内で火をつけることで、微小重力条件下における特定材料の着火・燃焼の特徴を確認し、重力条件下での燃焼と比較対照する。

19件の科学実験は近づきがたいように思われるが、実際にはその多くが生活に即した内容だ。「微小重力下における石炭燃焼、その汚染物質の生成の特徴に関する研究」を例とすると、石炭燃焼は各大都市の大気汚染の大きな原因となっている。実践10号は石炭燃焼実験を計画している。中国の科学者は中国の典型的な3種の炭種を選択し、実験装置内で燃焼させ、異なる温度・炭種・粒径・環境ガス成分を条件とする球形石炭粒子と炭塵の燃焼の全過程を観測する。さらに火の形状、粒子表面の変化、揮発、放出などを記録し、燃焼の理論と模型を明らかにする。

中国航天科技集団第五研究院総体部帰還型衛星専門家の高振良氏は、「燃焼の研究を徹底すれば、石炭燃焼の効率を高め、大気汚染を着実に防止できる」と指摘した。

宇宙放射線による生物の遺伝子の変化を研究するため、実践10号はイネの種子、ハタザオの種子、線虫の観察を行う。また1000匹以上のカイコを積載し、うち一部を宇宙上で孵化させる。宇宙環境はこれらに顕著な変化をもたらす。そのうち役立つ変化を絞り込み、留める。実践10号科学応用システムチーフデザイナーの康琦氏は、「カイコ、イネ、生命科学の模索に関する研究は、高い将来性を持つ。確かな経済的利益に転化できるほか、社会の発展を促進することになる」と説明した。(編集YF)

「人民網日本語版」2016年4月11日

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