有人潜水艇「蛟竜号」は30日、北西太平洋マゼラン海山列における海山の北西で、科学的応用潜水作業に成功した。蛟竜号が同海域で科学者を乗せた潜水作業を行うのは今回が初。新華社が伝えた。
現場指揮部によると、今回の潜水作業では国家深海基地管理センターの潜水士である唐嘉陵氏がメイン操縦士となり、広州海洋地質調査局高級エンジニアの姚会強氏、潜水士見習いの楊一帆氏が乗り込んだ。蛟竜号は現地時間4月30日午前8時3分に潜水を開始し、午後4時5分に甲板に回収された。水中の滞在時間は8時間2分、海底作業時間は5時間24分、最大潜水深度は2258メートル。
今回の潜水作業では、4000メートル近海底航行・観察が実施された。多くの海底動画・画像を撮影し、れき質のクラストを57キロ、巨大海底生物のサンプルを9匹収集した。うち海綿動物は4匹、サンゴは2個、エビは2匹、ヒトデは1匹。近海底海水サンプルを8リットル収集し、船員見習いの潜水訓練を実施した。
姚氏によると、2240−2270メートル、1490−1560メートルの範囲内で、連続的に分布する板状クラスト造鉱帯が見つかった。近海底の観察により、下の造鉱帯の生物量が少なく、上の造鉱帯の生物量が多いことが分かった。主に海綿動物やサンゴなどだという。
同海山はマゼラン海山列の中部に位置する、中国のコバルトリッチクラスト調査契約エリアの所在地だ。蛟竜号は今回の潜水作業で、マルチビームバックエコー強度技術の、コバルトリッチクラスト資源の評価における潜在力を調べた。姚氏は、「エコーの強度が高い場所は、確かに板状クラスト分布エリアに対応することが分かった。当然ながら、さらなる研究と確認が必要だ」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年5月3日