悲しいときは空が灰色に見える。色はそれぞれ異なる感情を代表しており、青は悲しみの色とも言われる。感情はものを言わないが、本当に色覚に影響をもたらすのだろうか?米ロチェスター大学の心理学者の研究によると、悲しみは我々の色覚に影響を及ぼし、色の認識を難しくするという。南京中大病院の心理学専門家・牟暁冬氏はこれについて「心理学の角度から見ると、悲しい気持ちは確かに色の認識に影響を及ぼす」と語る。金陵晩報が伝えた。
▽悲しい時は「青」が見えにくくなる可能性が高い
実験では、265人の学生を2つのグループに分け、一方のグループには、悲しい気持ちにさせるような内容のビデオ(ライオンキングで主人公・シンバが、父親が崖から落ち命を落とすところを目撃し、父親の死体にもたれて悲しげに泣き崩れるシーン)を、もう一方のグループには2分間のコメディービデオを鑑賞してもらった。
その後、被験者に全48色のカラーパッチを見せ、それぞれの色について青、黄色、赤、緑のどれであったかを答えてもらった。結果、悲しいビデオを観たグループは、コメディーを見たグループよりも色識別の正確度が明らかに低かった。ただし、すべての色の識別に影響があったわけではない。影響があったのは青・黄色系のみで、赤・緑系の色覚にはなんら影響はなかった。
▽専門家:感情は色覚に影響を与える
南京中大病院の心理学専門家・牟暁冬氏は、悲しい気持ちは脳内のドーパミンの濃度に影響を与え、感度をつかさどる機能にも影響すると語る。