人々が毎日目にするニュース、論点、調査、予言、噂などの情報量は増える一方だ。脳は往々にして秩序なき大量の情報を消化・理解しきれず、多くがゴミのような情報になり、人々の判断能力を乱し、神経系統に危害をもたらす。これは現代医学の「情報汚染症候群」の症状だ。
中国インターネット情報センターが発表した「中国インターネット発展状況統計報告書」によると、中国のネットユーザーは毎週平均26.2時間ネット利用しており、1日平均で3.7時間となっている。うち最も積極的なのは、1981−2000年生まれ、16−35歳の若い世代だ。ダボス会議で発表された情報によると、この年齢層は毎日7時間以上ネット利用し、睡眠時間を上回るほどになっている。
海外の現代病研究の専門家が、被験者に毎日数千枚の写真を見せる実験を行った結果、被験者は数日後、偏頭痛にかかった。科学研究によると、人の脳の情報許容能力は驚異的で、10分の1秒内に1000の情報単位を受け入れる。一部の人は情報の分析・処理が苦手なため、短時間内に大量の情報を受け入れると、情報の乱れにより脳の吸収が間に合わなくなる。大脳皮質の情報のインプット・アウトプットのバランスが乱れ、頭痛、動悸、胸の痛み、焦りや不安といった臨床症状が生じ、深刻な場合はショックで気絶することもある。
日本の心理学者によると、人はあまりに多くのことを知りすぎると、目的以外の余計な要素が心の中に入り込むことで、実力を発揮できなくなるという。分かりやすい例を挙げると、腕時計を1本はめている人は時間が分かるが、2本はめている人はむしろ今の時間が分かりにくくなる。
それでは「情報汚染症候群」を防ぐにはどうすればよいだろうか?中国人民大学の張小喬教授(心理学)は、「接触するすべての情報をむやみに取り入れれば、ストレスが増え、注意力も損なわれる。情報が多すぎると、感覚器官の負荷が増し、注意力が鈍り、記憶が正確でなくなり、脳が混乱し、心理的に疲れるといった現象が生じる。人々は情報を受け入れる時にこれを見分け、自分に役立つ情報を選ぶ必要がある」と提案した。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年5月23日