観光業と映画・テレビ業の経済牽引効果は、近年における日本と韓国のサービス貿易発展の力強いエンジンとなっている。今後、多くの国との協力により、日韓のサービス貿易はより多元化し、高い競争力を備えることになるだろう。
▽観光業と映画・テレビ業の急速な発展
中国現代国際関係研究院日本研究所の劉雲・補助研究員は「サービス貿易の分野において、日本は韓国よりも成功している。データからも分かるように、韓国のサービス貿易輸出は成長を続けているが、過去5年間の成長率はやや減速している。このほか、韓国の輸出額に占めるサービス貿易の割合はOECD(経済協力開発機構)加盟国の平均の半分にも及ばない。つまり、韓国の対外サービス貿易の全体的な発展は相対的に見て日本より遅れている」と指摘する。
劉氏によると、日韓のサービス貿易には相似する部分があり、新たなすう勢としては、(1)観光サービス貿易(2)映画・テレビ・アニメ・漫画作品(3)輸出関連のサービス産業――の3つが挙げられる。
観光サービス貿易については、日韓それぞれに特徴があり、いずれも高い競争力を持つ。日本の観光サービス貿易はここ数年、民泊の合法化推進、観光商品の便利性向上などの面で良好な発展を見せている。一方の韓国は、免税店の開設、中国語サービスの提供、韓国文化をテーマとした観光商品など、中国人観光客向けのサービスがこまやかだ。両国の観光当局のデータによると、韓国は中東呼吸器症候群(MERS)などの影響もあり、2015年の訪韓外国人観光客は前年比6.8%減の1323万人にとどまった。一方、訪日外国人観光客数は同47%増の1973万7400人に達している。