日系自動車メーカーの不正が次々明らかになっている。三菱自動車、日産自動車に続き、スズキもまた燃費不正の問題が発覚した。日本メディアの報道によると、スズキは燃費試験データの測定で国が定めた測定方法を用いていなかったという。スズキのスポークスマンはこのほど、「鈴木修会長が国土交通省に報告したが、燃費性能に影響を与えるような欠陥は見つかっていない」と述べた。このニュースが伝わると、スズキの株は15%値下がりし、16年ぶり最大の下げ幅を記録した。これに先だって、スズキ株は業績不振により、年初以来31%値下がりしている。「北京青年報」が伝えた。
日系自動車メーカーの相次ぐ燃費不正問題は、テストデータを人為的に操作したために起きたものだ。今年4月20日、三菱自動車は62万台の燃費性能テストで不正な操作を行い、排ガス性能をよくみせていたことを認めた。同日の三菱自動車株は15%値下がりし、時価総額66億ドル(1ドルは約110.1円)が蒸発した。日産も不正問題に巻き込まれ、最近の日本自動車産業で最大のスキャンダルとなった。
三菱自動車の相川哲郎社長は先月、テストで不正行為があったことを初めて認めた。タイヤに孵化をかける数値を設定する際、燃費がよくみえるように操作し、燃費に関する国の認証を不正に取得した疑いがある。三菱自動車の説明によると、不正があった自動車は正規のテストでは燃費が5~10%増加するという。車種はいずれも軽自動車で、「eKワゴン」や「eKスペース」が含まれ、日産に提供した「デイズ」、「デイズルークス」にも問題があり、対象車両は62万5千台に達する見込みだ。
三菱自動車の相川哲郎社長は不正問題について、「いい燃費にみせるという意図があったのは確か」だとしている。各国で自動車の省エネ性能や環境保護指標への要求が高まるのにともない、最近は自動車メーカーによる関連データの操作がしばしば発覚し、大手ブランドも例外ではない。昨年にはドイツのフォルクスワーゲン(VW)がディーゼル車1100万台の排気ガステストで不正を行った問題が発覚。2014年には韓国の現代自動車と関連企業の起亜汽車が燃費を「水増し」し、米国政府に3億5千万ドルの罰金を支払った。
日本メディアによると、ドイツが国内外の自動車メーカーのディーゼル車に対して行った調査で、スズキや日産などのメーカーの22車種は窒素酸化物の排出量が欧州の基準を超えたという。スズキ車のエンジンは欧州の大手フィアット・クライスラーが提供したもので、一定の条件の下では排ガスが基準の10倍にもなるという。日産車の排ガスも基準の数倍になるが、エンジンのサプライヤーははっきりしない。目下の大手メーカーによる性能データの粉飾・不正問題が今後も続くかどうか、業界は懸念をもって見守っている。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年5月19日