さらに、仲裁裁判における南中国海の島・礁に関するフィリピンの仲裁要請は入念な切断と加工を経て、より深いレベルの悪辣な意図をひそかに込めている。これは以下の点に現れている。
第1に、フィリピンは工夫を凝らして、南沙島・礁の領土的地位の問題を島・礁の法的地位の問題として描写した。仲裁裁判所の管轄権確立を支えるためだが、実は隠そうとすればするほど露呈するだけだ。
第2に、フィリピンは中国が現在支配する南中国海の島・礁についてのみ仲裁を要請した。中国を標的とする意味合いは濃厚だ。
第3に、フィリピン側は仲裁裁判所に対して、中国が現在支配する南中国海の島・礁の島としての地位の否定を求めるのみで、フィリピンその他の国によって侵略・占領された南沙島・礁については、こうした国々がどのような権利制限を受けるべきなのか、故意に一言も触れなかった。
第4に、中国はかねてより南沙諸島全体に対して主権を有してきたが、フィリピンはそのうち少数の島・礁の主権のみを有してきたというのが周知の客観的事実だ。だがフィリピン側は工夫を凝らして南沙諸島を切断し、中国が「国連海洋法条約の権利を主張できる」島・礁の範囲を中国が現在支配する南中国海の島・礁に限定した。
フィリピン側のこうした言論は史実を顧みず、法理を曲解することを土台に構築されたものに他ならず、入念に作り上げた嘘と筋の通らぬ強弁によって南中国海紛争の真相と本質を覆い隠そうと企てるものだ。だが、南中国海の島・礁の法的地位と権利の帰属は白黒を逆さまにするフィリピン側の偽りの言葉によって決まるものではない。法律の旗印を掲げて、中国の譲れぬ一線に悪意をもって挑戦するフィリピンの卑劣な企ては、思い通りにならない運命にある。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年5月30日