よって、軽食規範は、伝統飲食業の発展推進のための強力な味方だといえる。消費者の立場から言えば、楊州炒飯や中国式ハンバーガーの基準は、眼に見え、手で触れることができる基準であり、これらの伝統グルメについて消費者がよりダイレクトで深い理解を得るのに役立つ。また、基準にある「米粒がキラキラ光り透明感があり明るい」「最低3個の卵を使用する」などの細かな取り決めは、市場で量をごまかすなど消費者の権益を損ない得る一部店舗の行為を抑制する作用もある。
さらに、軽食業界にとって、規範の制定は、企業の標準化・チェーン化・大規模化の発展に有益に働く。これまで、軽食の質はまちまちで、一部の「老舗」が正統だとみなされていたが、彼らの調理技術はすべて「門外不出」の状態にあった。だが、政府当局のリードによって、これらの「老舗」飲食企業が率先して軽食基準を制定し、数十年さらには数百年の長きにわたり蓄積された経験を、独占することなく分かち合うことになった。これにより、より多くの企業が老舗の伝統技術を参考として調理ができるようになり、ブランド全体のレベルが向上し、全国さらには世界に向かって羽ばたけるようになる。
中国の伝統飲食は、長年にわたり、粗放型・経験型経営が行われてきた。だが、市場経済時代のいま、厨房の料理長だけが品質をコントロールするやり方は、飲食業がより強くより大きく発展していく上での障害となっており、スケールメリットを形成しブランド効果を生むことの妨げとなっている。この点において、モデルチェンジに成功した韓国産キムチの例は、我々にとって学ぶべき点が多々ある。キムチの生産パターンは、もともと、家庭ごとの手作りがベースだったが、キムチ市場の大きな将来性に眼をつけた彼らは、標準化生産に踏み切り、生産コストを下げただけではなく、国際市場のシェアを迅速に拡大した。同じように、標準化問題を解決し、口当たりや品質を保証しさえすれば、中国の軽食も、より多くの消費者から認められ、韓国産キムチのように海外進出をやってのけ、大産業に発展することができる。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年5月30日