90年代の輝かしさをなかなか取り戻せない日本ドラマ
韓国ドラマの人気と比べ、現在日本ドラマは、少数派の人々がその格調の高さやセンスを磨くために見るドラマで、ゆったりとして、のどかな人々でないととても見る気にはなれない。これもまた中国で日本ドラマが理解されにくいという証でもある。確かにここ数年、「半沢直樹」や「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」、「ダメな私に恋してください」、「深夜食堂」などの日本ドラマが人気だが、それはホワイトカラーやエリートたちの間でのことで、その人気は一般的とは言い難い。1990年代の「東京ラブストーリー」や「ロングバケーション」といったようなあらゆる世代の国民が日本ドラマを見るという盛り上がりを取り戻すことは難しいだろう。日本のフジテレビの常務取締役である大多亮氏も同様の悩みを訴えている。「この問題は大変悩ましい。『東京ラブストーリー』のようなテレビドラマは1人の男性と2人の女性による単純な三角関係を描いたドラマに過ぎない。ただ若者向けのトレンディドラマとして製作された同ドラマが最終的にはあらゆる世代の人気を集めることになった点は注目すべきだ。このことからラブストーリーは不変のテーマであることがわかる」と指摘し、現在のドラマは年齢層によって分かれており、普遍的なテレビドラマの製作を望んでも、最終的には若者または中年層をメインとした結果に終わってしまい、全世代で話題となるようなドラマにならないと語った。
また「東京ラブストーリー」や「最高の離婚」の脚本を手がけた脚本家の坂元裕二氏も「今の日本のテレビドラマは『東京ラブストーリー』の時代と比べ、確かにアジアで遅れをとっており、韓国ドラマには及ばない」と言い切った。