英国が国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めたことが、グローバル経済に動揺をもたらしている。英ポンドの対米ドルレートは30年ぶりの最低を記録し、ポンドの値下がりで、英国のブランド品の価格が軒並み10%近く下がったため、中国の通販好きの間では英国製品や欧州製品の買い物熱が高まっている。「京華時報」が伝えた。
▽欧州製品の売り上げがうなぎ登り
中国最大の海外通販プラットフォーム・洋碼頭のまとめたデータをみると、脱EUの影響で、欧州製品の売上高が普段の倍になり、このうち英国製品の貢献度が60%に上る。価格帯をみると、4千~6千元(1元は約15.5円)の欧州製品が売れ筋で、顧客一人あたりの平均単価は2千元になり、大手ブランドのバッグに一番人気があるという。
脱EUでポンドが値下がりしたということは、人民元の購買力がその分だけ強まったということだ。洋碼頭によると、「バーバーリーの定番トレンチコートの場合、脱EU以前は1万3757元したのが、脱EUでポンドが下落した日には1万2203元から買えるようになり、1554元の差額が出た。ルイ・ヴィトンのトートバッグ『ネヴァーフル』は脱EU前後で885元の差額が出た」という。
価格の変動は消費者の購買意欲を刺激しただけでなく、一人あたりの購入単価の大幅上昇にもつながった。洋碼頭で購入された商品をタイプ別にみると、値崩れしにくいハイブランドのバッグが70%に上った。9万8千元もするエルメスのハンドバッグ「ケリー」も脱EU前より1万元以上安くなったため、北京の消費者が次々に購入し、昨年の「ブラックフライデー」(クリスマス商戦の開始日)以降で、単価が最も高い商品になった。
▽脱EUで夏のセールにも影響
脱EUによるレート低下の恩恵があるだけではない。欧州では毎年6~8月に夏のセールシーズンを迎える。洋碼頭の関連部門責任者は、「セール期間には、割引ラッシュがフランス、イタリア、英国などを席巻し、街の中心にあるデパートや郊外のアウトレットから、ストリートにあるブランド専門店や個人経営のショップまで、あらゆる店が平均40~60%の割引をうち出す。セールで英国製品や欧州製品を買えば、割引でお得なだけでなく、レートや税還付という『隠れた恩恵』も受けることができる。脱EUによるレートの恩恵は、割引した商品をさらに割引するようなものだ」と説明する。
洋碼頭は脱EUによる中国人のショッピング熱の高まりについて、「海外旅行や海外通販に促されて、中国人の消費がグローバル消費にとけ込みつつあり、中国人消費者は価格にますます敏感になっている。脱EUによるレートの恩恵を受けて、英国製品はもとより欧州製品の売り上げが増加する」との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年6月30日
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